新選組!の感想

 龍馬暗殺の回。実は「今日は地震報道で中止」と聞いており、日本シリーズを見ていたのだ。でも、放送直前に「ごめん、ある」というメールが来て、事なきに至った。はじめは野球と行きつ戻りつ見ようかと思ったが、結局新選組!一本になった。
 結論から言えば、とてもよかったと思う。特に暗殺後がよかった。静まった部屋に、瀕死の二人が畳の上に転がってる。顔は汗だらけだ。幕末の暗殺現場に立ち会ったことはないけれど、これはリアルな感じだ。ここに余計な音楽や演出はいらない。そして、さっきまで鶏の皮談義をしていた男が、次の一瞬には刀でブッ刺されて死にかけているのだ。その対比、見事じゃありませんか。ただあれだ、近藤が夜空を見上げて流れ星が一つ落ちる。これ、蛇足だったんじゃねえのかって。横山光輝三国志じゃないんだから(いや、横山光輝三国志は好きですが)。
 龍馬暗殺には諸説ある。このドラマでは定番の一つである京都見廻組説を採用。それに、薩摩の情報提供というアレンジ。さらに、後から永倉と原田がやって来て、後世の新選組説が生まれたんだよ、というおまけ付き。他にも、龍馬と斎藤一の会話にちょこっと“人斬り以蔵”の名前を出したりと、ここらあたり上手いと思う。
 しかしなんだ、真相はどうだったのかね。とどめを刺さなかったってのも気になるな。そりゃ当時は医療技術も大したことないだろうから、こんだけやれば死ぬだろうってのはあったろう。だけど、万が一生き残られたら厄介だ。さもなきゃ、とっとと逃げなきゃいけない事情でもあったのか?
 ……なんて考え出すときりがない。ところで、龍馬暗殺絡みで自分が好きなエピソードは、十津川郷士・中井庄五郎の話だ。新選組を龍馬暗殺の犯人と見込み、なんと新選組を襲撃したのだhttp://www.totsukawa-nara.ed.jp/bridge/guide/person/pn_015.htm。だいたい十津川郷って存在自体が伝奇小説的でいい。壬申の乱(672年)での軍功から明治の地租改正まで租税免除。これこそ、帝を護るなんとかの一族みたいじゃないですかhttp://www.vill.totsukawa.nara.jp/gaiyou.html
 しかし、このドラマで佐々木只三郎は「十津川郷士」って名乗っていたっけ?なんか違ったような気もする。あるいは、上の襲撃(天満屋事件)はやんないのかな。まあいいや。いよいよ来週は「油小路」。なんかもう、ここらあたりが最高潮という気がしないでもない。