阪神ジュベナイルフィリーズ

 本命はちょっと前から決めていた。関東馬アサヒライジングだ。前走の強さを目の当たり(http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20051016#p1……といってももちろん場外のモニタだけど)にして、なおかつ人気が無い。単勝勝負に、同枠が人気薄のこともあって、枠連で押さえてみた。大人気のアルーリングボイスは消しの一手を取った。いずれ消え去るであろう早熟の香り。「もうはまだ、まだはもう」。今回は後者。調教が軽すぎたのも軽視の一因。G1前はきっちり時計を出さなければ、勝ちきることなんてできないのだ(JCのアルカセットは?)。その点、アサヒは惚れ惚れするような調教風景で、ラストの1Fも11秒台でまとめてきた。こっちを狙うしかないでしょう。
 アサヒライジングは逃げ馬だ。とにかくスタートの無事を祈った。なに、小林淳一は逃げのイメージ。最高の発馬とはいかないが、先手を取りに行く。ライバルは最内の太宰啓介キーレター。そこへアサヒの同枠人気薄のサチノスイーティーが馬体を合わせる。サチノの鞍上は中舘英二。……!ここでスパッと一つの事実が繋がった。アサヒライジングを管理するのは来年二月で定年を迎える加藤修甫調教師。中舘は元加藤修甫厩舎の所属で、アサヒエンペラーのエピソードは言わずもがな。そうだ、番手で中舘はアサヒライジングをサポートしようとしている(日記を見て思ったが、前走も実はそうだったのか?)! 事実がどうかなんてどうでもいい。俺はそう信じた。四角を迎えて絶妙のペース、アサヒは後続を突き放す。俺は思わず「がんばれ!」と口に出した。逃げろ、逃げてくれアサヒ……。
 が、夢破れて後続に襲いかかられた。襲いかかれられて、先頭で駆け抜けたのはテイエムプリキュア加藤修甫―中舘ライン(思えば競馬をはじめた頃に好きだったルイジアナボーイもこのコンビだった)の地味な競馬世界に浸っていた俺に、ぶっちゃけありえない冷や水である。俺もそのくらいは知ってるぞ、プリキュアってのは、白い方にチンコ生えてるふたなりアニメでしょう? そりゃ熊沢重文の頭も白くなるわ!
 ……しかしまあ、いい競馬だった。久々に単勝で熱くなれた。人気のアルーリングボイスはスパッと沈んだし。そういえば、「スーパー競馬」の井崎脩五郎吉田均も切っていたっけ。切ったのは正しいが、揃って討ち死にだ。でも、吉田の本命が二着でシークレットコードで。三着にフサイチパンドラ。そうだ、内外タイムス関口房朗のオッサンが三連単予想してて、この馬からの七頭マルチで的中させてたわ。このオッサン、一点一万円買うから三千万円の払い戻し。単勝二番人気もこのオッサンの仕業じゃないかと睨んでいるが、結果を見れば妥当だったか。
 ちなみにテイエムプリキュアは二百五十万。ここらあたり、竹園正継の選馬眼か。何せ父パラダイスクリークはいいとしても、母父ステートリードン。ある意味、アサヒライジングの母父ミナガワマンナより渋い。思えば、テイエムオペラオー以前にセクレファスター産駒のテイエムオオアラシあたりが活躍していたっけな。
 ああ、そうだ、思い出した。他人が持ってる東スポの見出しにこうあった。「成駿プリキュア」。二十一世紀ともなると、‘成駿(青春)の本命’もオタ文化と無縁ではいられないのか。そんな時代を、俺は何と何で何をカバーしていけばいいのか皆目見当つかないのであった。