見られたもの見られなかったもの

 格闘技関係の情報をちょこちょこ見ていたら、ヒース・ヒーリング中尾芳広にチューされてキレて反則負けだったとか(http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/live/200512/31/a03.html)。俺ははじめ、逆じゃないかと目を疑った。ヒーリングは根がまじめそうな選手だが、さすがに日本人からキスしねえだろうと。いやはや、五味の活躍といいこいつといい、日本人選手も変わってきたものだ(一緒にしたら五味に失礼か)。まあ、これなどは放送が無かったようなので仕方ないが、年末年始の怒濤のテレビ番組の中では、もう何か面白いシーンを見逃したりするのもどうしようもないことだ。
 しかし、上の上司の話じゃないが、やたらとお笑い番組が多かった。ちょっと食傷気味といってもいいかもしれない。しかし、番組から番組へと芸人が渡り歩き、徹夜の疲労とハイテンションを見るようなのは嫌いじゃない。こういうのが多く見られたのは、何年かぶりのような気がした。
 とはいえ、俺は去年のテレビ東京の年明けお笑い番組を見ていない。今年見たところによると、吉本の芸人ばかり七十人以上集めたろくでもないノリで、大変に楽しめたのだが。このノリは、司会の今田・東野からやりすぎコージーやりにげコージーのようであり、また、昔のフジの深夜であるところの、殿様のフェロモンかなにかを思い出す。
 で、この番組、しょっぱなの企画が大たらいを使ったチキンレースゲーム。去年リットン調査団の一人を負傷させたみたいだが、なんと今年も同様の事故を起こすのだからひどい話。食らったのは山崎邦正で、目の下あたりをやってしまった模樣。あまりにもできすぎという気もしたが、「血が出てましたよ」を一人連呼する陣内智則(日テレのネタ大会で優勝して一千万というが、これは高額賞金だ。M-1の価値を相対的に下げようというのか)を、今田耕司が「空気読め」と一喝するあたりわからない(山崎はじきに復帰した。絆創膏つきで)。その後も、AV女優がうっかりして放送コード越えそうなコーナーとか、なんともくだらなくてよかった。途中で寝てしまったが。
 えーと、他の番組。前後するがやはり年越し番組。今年も一番くだらないと思いつつ、やはりナイティナインというか岡村隆史で年を越した。今年は一本目をスカすというひねりを仕掛けてきて、これには一杯食わされた。しかしなんだ、矢部はヒルズ族だったのか。あと、前は年越しの瞬間と行事のスタートのタイミングを合わせていたような気がするけれど、これはどうだったか。あるいは視聴率対策か何かかもしれない。いずれにせよ、最後のダレダレぶりも含めて、番組の役割はきちんと果たしてくれたという感じ。まだ元・お笑いウルトラクイズのスタッフがやってるんだろうか。
 そうだ、大笑点だか、今朝TOKIOを司会にすえてぶっ通しでやっていたらしい番組。朝、ちらりと見たら、採石場みたいなところで爆破とか車から放水とかやってて、ダチョウ倶楽部とか出川哲朗がリアクション芸をしていて、司会はガダルカナル・タカ。これはもうお笑いウルトラクイズそのものじゃないか、みたいな。その部分しか見ちゃいないけれど。
 今年はフジのお笑いヒットパレードもほとんど見られなかった。起きたのが遅く、ベテラン勢をいっこも見られなかった。その代わり見たのは、長井秀和である。俺はあまり、あの芸人は面白くないだとか、このネタはすべっただとかは書きたくないのだが、今朝の長井のネタはすごかった。ここまでだだスベリするネタはあまり見られないという寒さ。いくつかの要因はあるだろう。長井自身やはり徹夜明けで疲れもあったろうし、ネタを練る時間もないのかもしれない。客も客で、朝からずっとネタを見てきているのだから、だんだん感覚も麻痺し、疲れてもくるだろう。しかしまあ、それらが集まってできてしまった空気ときたら大変なものだった。ネタは、というか、ネタになっていなかったのだろう。なんか、長井のネタ口調に乗せてはいるけれど、単なる世間話だった。いや、その後のいつもここからが非常にホットだった。それと、あと、えーと、千原兄弟が漫才をやっていた。ジュニアは何か手応えを掴んだようだ(本当か?)。
 えーと、こんなところだろうか。正直、しばらくお笑い芸人が出る番組は見なくてもいいという感じ。だからこうして会社に逃げてきたという感じ。