「自首 神社さい銭盗 ２月中に徳島で４、５件。香川で１０件。 谷本幸雄 住所不定」
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080227-328347.html
明日にでも、というわけではないのだけれど、私がこの谷本さんに近い明日を持つ人間だというのは、客観的に見て疑いようがない。「食うために刑務所に入る」というリアリティ、そしてリアリズム。そのとき、何の罪で捕まればいいのか。散弾銃を持って銀行に押し入ったりするなどすれば、刑務所の飯を食うどころか、MP5から発射された9mmパラペラム弾を食うことになる。そこで、この平和的解決。
「自首 神社さい銭盗 ２月中に徳島で４、５件。香川で１０件。 谷本幸雄 住所不定」
……しかし、これは名文だ。人間、人様の手を煩わせるにあたっては、せめてこのような言葉を用意しなくてはならないと思う。私たちはみな、この谷本さんに続かねばならないと思う。ヴェイユは労働者に必要なのは詩だと言ったらしいけれど、住所不定無職にも同じことかもしれず、また服役囚においても。
