俺はK-1を見た

十時四十五分K-1に気づいて決勝が始まって俺はK-1を見た。これこそがただこれ以上でもなくましてやこれ以下でもないこのK-1ありさまである。バダ・ハリバダ・ハリであってバダ・ハリをなした。レミー・ボンヤスキーレミー・ボンヤスキーであってレミー・ボンヤスキーをなした。あの展開になったらボンヤのものだと誰にだってわかっていて何でシュルトがいないのかよくわからないでいるのである。ああいう風に横に寝た人間の頭を踏みつけるのは初歩の殺人術なのである。あそこから勝ちに持っていくのは初歩のボンヤであって誰に責められようか。世界は谷川の思うがままに。バダのボンヤの思うがままに輪違い。