伊藤計劃『伊藤計劃記録』を読む

伊藤計劃記録

伊藤計劃記録

 本書で中編「The Indifference Engine」、「セカイ、蛮族、ぼく。」、「From the Nothing, With Love」を読み終えてしまったので、伊藤計劃はあらかた読んだことになる。「蛮族」は確実に読んだ覚えがあるので、ネットで公開されていたりしたのだろうか。まあいい、あとは『屍者の帝国』があるといえばある、か。
 伊藤計劃が若くして亡くなったことは惜しい。こんなことをいうと叱られるかもしれないが、『ハーモニー』の段階であっても「まだ、もっと!」という気がするからだ。本書の中編などはますますそうだ。それゆえに惜しい。まあ、収録三編(および『屍者の帝国』冒頭)のなかで「蛮族」が一番おもしれえや、というおれのいうことだからしょうもないが。
 で、おれは『屍者の帝国』を読んでいないのでどうなっているかわからないが、人間の自由意志の問題について……ようするに、コップを手に取るとき、脳が指令を出す前に筋肉が動いている現象、これについての長編が一発読みたいと、そう思った。人間と自由意志。いろいろのSFが扱ってきたところでもあるが。まあ、『虐殺器官』も『ハーモニー』も無縁ではない。
 あとはなんだ、これの続編のような本もある。それも読むか。映画評など読んでいても、鋭い目と多くの知識にあふれている。かといって、衒学的なところもなく、どこか洒脱でサービス精神のあるところ、おれの好きな伊藤計劃はそこにある。『ディファレンス・エンジン』がオールタイム・ベストだというところは違う。おれは操作が苦手だったので、『メタルギア』シリーズは弟がプレイするのを後ろから見ていた。『ポリスノーツ』は好きだった。よく覚えてはいないのだけれど。

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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

屍者の帝国

屍者の帝国