goldheadさん、はじめて『艦これ』に触れる


 おれは今の上の小見出しで「艦これ」と打ち込むまで、一切「艦これ」については触れてこなかった。ブログだろうと、ツイッターだろうと、はてなブックマークだろうと。たぶん。ずっと、聞こえない、見えないふりをしてきた。
 もちろん、美少女と軍用艦を組み合わせるという発想や思想(無思想)に対する嫌悪感がそこにある……はずがない。おれが生涯で一番好きなアニメはすばらしい『ストライクウィッチーズ』である。さらにいえば、『艦これ』以前に近所の古本屋で「MC☆あくしず」のバックナンバーをちょこちょこ買ったりしていたくらいである。兵器の擬人化(美少女化)なんぞ朝飯前に三錠服用ってなもんだ。
 じゃあなぜ避けてきたのか。「よくわからんが、『艦これ』というものに触れると、おれは金を使ってしまうのではないのか?」という恐怖、これに尽きる。課金がどの程度のものか、というか、課金そのものがあるのかどうかわからんが(たぶんあるのだろう)、ともかくそういう不信感、正確にいえば自分に対する不信感から避けてきたのである。
 が、アニメが始まってしまった。

 地上波のアニメというものは、まあほぼ無料で視聴できてしまう。録画できてしまう。あまり金のかからない趣味といっていい。そしておれは視聴できるアニメをとりあえずは全部録画してみる。もちろん、『艦これ』も入ってくる。というか、「1期につき5本までです」という制限があったとしても録画したろう。3本でも入るかもしれない。要するに、やばいな。
 そんな思いをしながら第一話を見た。なんだ、やっぱり、やばいな。ちょっとおもしろそうじゃないの。おれ向きかもしれないじゃないの。無論、『艦隊これくしょん』自体を完全無視してきたので、小ネタ、元ネタさーっぱりしらない。しらないけど、ちょっとおもしろそうじゃないの。とはいえ、今さらゲームを始めようという気も起こらないのだけれど(ゲームといえば、最近は7年前の「G1ジョッキー」とiPhoneアプリの「FFRK」を無課金でやってるが、まあどうでもいい)。
 して、今期はもう一本『艦これ』と同じ意味で恐ろしいタイトルが待ち構えている。『アイドルマスターシンデレラガールズ』である。
 おれは『アイマス』世界にアニメで初めて触れて、金もないのにPS3を買った過去がある。CDにもたくさん手を出したし、映画にも行ったし、続編の『OFA』も買った。

 ただ、おれはおれにきつい自主規制を設けた。「おれにとってアイマスとは765プロのこのメンバーの話であって、他はもたず、つくらず、もちこませず」と。すなわち、これの区別もよくついていないのだけれど、スマホゲーとかで展開しているさまざまな別のアイドルのことは一切遮断してきたのである。『艦これ』と同レベルの自主規制であって、もしなにか接することがあったら一度目で銃殺刑と定められている。
 が、これもアニメが始まってしまう。ラジオなども聴いてしまう。そこにはあまりヘゴっていない大橋彩香がいたりする。キャストを眺めれば洲崎綾の名前などもある。これは危ない。危ないが、アニメを見ることを習慣化している身としては、避けて通れぬ道である。まったくこの世は危険に満ち満ちている。悪魔がこの世界を創造したのかと思ってしまう。