『劇場版PSYCHO-PASS サイコパス』を観る

 フィリップ・K・ディックの世界を思わせる設定。シビュラシステムというわかりやすい装置。そこで繰り広げられる刑事もの。アニメ『PSYCHO-PASS』は悪くなかった。悪くなかったが、劇場版を映画館に観に行くほどでもなかった。二期より一期のほうが面白かった。そんなところである。
 そんなところで、公開からどれだけ経ったかわからぬ「劇場版」を観た。システムが輸出された東南アジアが舞台である。そこに主人公の花澤香菜が単身乗り込み、狡噛慎也との再開があったりする。まあ、いろいろある。え、それだけなの? というか、まあそれなりである。それなりに面白かったといえるし、突き抜けた面白さがなかったとも言える。むしろなにかなんというか、『PSYCHO-PASS』ワールドをまだまだ続けるぜ、続けたいなぁ、続けばいいなぁという感じを受けた。『攻殻機動隊』世界がいろいろの展開をしているように。それはそれで悪くないなあと思うが、さて、どうだろうか。
 なんというか、アニメの二期分でネタが割れてしまっているところもあって、さてどうしようというところである。花澤香菜のキャラなども魅力的だが、さてどう始末をつけるのか? 広がりを画策して、畳みどころが見つからない。おれは勝手にそう感じた。もう、ある意味畳まれているのだもの。今後の展開があるのかないのか知りはしない。あったらあったで観るに違いないが、やっぱりあれだ、完全に致死させないで無力化できるモードがあるのに、ブクブクバシャーンさせてしまうドミネーターの意味がようわからんというところもあって、偏愛するにはいたらないのである。
 ちなみにおれの犯罪係数は非常に低いと思うのだが、それは薬物(ジプレキサ)によるものであって、ドミネーターに撃たれないように生きていきたいものですね。おしまい。
PROPLICA ドミネーター

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