正直に言おう。おれはもうお好み焼きが食えなくなっていた。いくら小麦粉の量を減らそうが、ともかく食べきるのにいっぱいいっぱいになっていた。それはお好み焼きに対する飽きからくるものかもしれないし、単に加齢からくるものかもしれなかった。ともかくおれはお好み焼きがだめになっていた。だから冬は鍋や蒸し野菜や雑炊ばかり食っていた。
が、この間のことである。冷蔵庫の中にキャベツとダイコン、卵くらいしか食材がなくなっていた。肉すらない。何を食うべきか。ふと、インスタント焼きそばが目に入った。「キャベツとこれでいけるんじゃないのか?」と思った。思った結果がこれである。
キャベツ、インスタント焼きそば、卵。 pic.twitter.com/kW9GdAZMy5
— 黄金頭 (@goldhead) 2017年4月30日
刻んだ大量のキャベツに卵を二個、かき混ぜて焼く。別口で進行していたインスタント焼きそばをそこにのせる、ひっくり返す、ブルドックのお好みソースと味の素のマヨネーズ(カロリーオフ)をかける。……これは、いける!
これを広島風お好み焼きと言えるかどうかは知らない。しかし、すんなり食えた。麺がつるつる入ってくる。キャベツももりもり食える。悪くない。おれはそう思う。
焼きそば、キャベツ、ピーマン、肉。 pic.twitter.com/vKYDSQAQFf
— 黄金頭 (@goldhead) 2017年5月1日
そしておれは3袋入りの焼きそば(蒸し?)を買った。今度は肉もある。肉と焼きそばに火を通す。いったん皿に置く。大量のキャベツその他具材を卵とほんの少量の米粉と合わせたものをフライパンに流す。さきほどの焼きそばと肉をのせる。しばらくしてひっくり返す。少し待つ。ブルドックのお好みソースとマヨネーズ(カロリーオフ)をかける、鰹節をかける。……これは、いける!
というわけで、小麦粉、米粉に耐えられなくなっていたおれは、焼きそばによってお好み焼きと和解した。これならいける、のである。やがて小麦粉中心に戻るのかどうかはわからぬ。あるいは焼きそば道に入るのかもしれぬ。とはいえ、いまのところ、お好み焼きよ、私は帰ってきた、といいたいのである。以上。