今日、こんな記事を読んだ。
宇多丸が映画『凪待ち』について語っている……のの書き起こしである。そこにこんなことが書かれていた。
とにかく、競輪場がないはずの石巻に、それでもやっぱりぽっかり口を開けて待っている、社会の落し穴。これ、寺十吾(じつなしさとる)さんという役者の方と、「マイティ」ことご存知、奥野瑛太くん演じるヤクザが……ちなみにマイティこと奥野瑛太くん、チンピラ役がこれまではナンバー3、4ぐらいだったのがね、いまはナンバー2までのし上がってね、非常にね、がんばれ!っていう感じなんだけど(笑)。とにかくそのヤクザ経営のノミ屋。この描写のリアルさにも、やっぱりその加藤正人さんのね、その競輪好きっていうのが反映をされているんでしょうか? とにかくゾクゾクさせられますけども。
強調部分は引用者による。……って、あれ、あのいい感じのノミ屋、マイティだったのかよ、マ、マ、マ、マ、マイティ、まさかのダンディ、右手にブロッコリー!
PV「MC MIGHTYの上京ラップ」(SRサイタマノラッパー)
いや、だって、おれ、『凪待ち』の感想でこんなん書いてるぜ。
なんというか、ほかの出演者はしっかりとそこにあるようにしてある、すばらしいハマり方をしていた。西田尚美、恒松祐里の母子。西田の父であり、老いた漁師の吉澤健、地方のヤクザ、とくにノミ屋のカウンターのあんちゃん、年上の競輪友達、嫌な感じの警察官、リリー・フランキー……。
強調は引用者による。うわー、そうだったんだ。そうか、MC Mightyは出所したあと、みちのくに流れてやっぱり極道に……。って、そうじゃないけど、そうだったんだ。なんかおれは嬉しくなった。
またラジオ書き起こしから引用。
『凪待ち』、1個だけマイティ周りで言うのを忘れていた。あのさ、麿赤兒さん演じるヤクザの組長の孫の写真を見ながらさ、「かわいいっす!」「かわいいっす!」「かわいいっすね!」「かわいいっす!」って、あれ最高でした!(笑) マイティ、いい仕事した!
この、「写真を見ながら」って、麿赤兒がiPadみたいなタブレットで写真を一枚ずつスライドさせてんのよ。そこも必見。
あとはなんだ、ここ。
彼が競輪にハマっていくきっかけっていうのも、ひょっとしたら彼は元々自転車を自分でこいでたからじゃないのか? 自転車競技をやっていたからじゃないのか?っていう読みとか。これもなかなか面白いなと思いましたけども。
これはおれも思った。わーい、似たこと考えてる人いたんだ。
あるいは、あの体格で、ロードバイクに乗っている。先に自転車があって、なにかに挫折して、競輪にハマってしまったのだろうか。……すべては想像にすぎない。
それにそうだな、脚本家の人が競輪好きのギャンブラーだということがわかってよかった。感想にも書いたけど、お隣の競馬狂いのおれが非常に感情移入できたもの。もちろん、すぐれた創作者というものが、ちょっとした取材か何かであるジャンルの芯を食うこともあるだろうが、やっぱり好きなんだよってのがにじみ出てくるってのもいいんじゃねえか、と思うわけなのでした。
おしまい。