ピザを1枚頼んだら14個もキウイフルーツがついてきた話

ピザの日(おれ制定。毎月22日前後)だったので、おれはピザのMサイズを一枚注文した。

だいたい予定通りの時刻に、ドアをノックする音がした。

「はーい」

おれはドアを開けた。ピザ屋の配達人が立っていた。が、ピザの箱を入れる容器の上にたくさんの何かを載せていた。はて、ウーバーイーツでもあるまい、別の人の注文を持っているわけでもないだろう。なんだろうと思うと。

「いま、キウイをお配りしているんです。どうぞ」

と、手渡されたビニール袋にはキウイが二個入っていた。それをまず二袋渡された。

「あ、どうもありがとうざいます」

すると、さらに二袋渡してくる。おれは思わず受け取る。そしてさらに三袋渡してくる。

「ええ? こんなに」

「ええ、ええ、いいんです。どうぞ、どうぞ」。

配達人にはなんらかの気迫があった。ノルマをこなさねばという感じだ。「一人では食べきれませんので」と断ることはできなかった。

そしておれはピザを食った。

だが、気になるのはキウイフルーツの存在であった。

ピザを食い終わったおれは、袋に入っていたチラシを読んだ。袋もチラシも立派な作りである。

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ゼスプリというところが、病院などに差し入れをしている。さらに、新しい生活様式を応援ということで、ピザ屋にも差し入れを差し入れてもらっているということらしい。でも、「1回の注文につきキウイ2個」って書いてあるじゃん。おれもらったの14個だ。

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いくらキウイフルーツが栄養ナンバーワン! だとしても、カロリーもあるし糖質もあるだろう。しかし、キウイフルーツの栄養はすごいな。リンゴとか雑魚だな。

そしておれは、付属していたキウイフルーツ用のプラスチックナイフ兼スプーンでキウイフルーツを2個食べた。一袋に2個。どの袋も、1個は毛深く、もう1個はあまり毛深くない。

食べてみてわかったが、毛深いのは緑色の果肉、毛深くないのはイエローの果肉だった。イエローのほうがやわらかく、甘かった。

しかし、おれは日頃、ほとんど果物というものを食べないが、その理由の一つは「めんどうくさい」からだ。だが、キウイフルーツであれば、半分に切って、スプーンで食えばいいのだから簡単だ。まあ、これが買う習慣につながるのかわからないが。

そして残ったのは、なぜおれに7袋14個ものキウイフルーツが押し付けられたのかという疑問と、12個のキウイフルーツだった。後者に関しては、3袋会社に持っていって、さらに人に押し付けることにした。

問題は前者だ。

「いりません」という人が多くて余ってしまったのか。そもそもキャパシティを上回るキウイフルーツが店に届いてしまったのか。なんらかの理由でこの期間の注文が想定より少なかったのか……。謎である。まあ、ただでもらって悪いものではない。配達人もおれが受け取ったことで救われたのかもしれない。それでいいじゃないか。

あ、ちなみに、キウイフルーツ目的でピザ頼んでも、もらえるかどうか一切不明ですので、もらえなくてもピザ屋を責めないでください。つーか、ピザ屋のサイト見てもキウイのキの字もなかったし、ゼスプリのサイト見てもピザのピの字もなかったぜ。以上。

……いや、tweetがあった。

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