おれは少し前にこんなツイートをした。
一ヶ月、いや、二ヶ月まるまる使って、気になっている漫画をひたすら読む時間が欲しい。そのくらいおれは漫画と遠ざかりすぎている。
— 黄金頭 (@goldhead) 2021年2月21日
おれは漫画大好き少年であったのに、二十歳のころ一家離散して金がまったくなくなり、洗濯機もないのに漫画を買って読むことができなくなった。各種週刊誌、月刊誌、読めなくなった。だから、もう、書店の漫画コーナーに行っても、「集英社にはこんな漫画とか」みたいな認識もできなくなっている。新しく話題になった作品なども、ネットで見かけてもそのままということが多い。
とはいえ、買い続けている漫画もある。『よつばと!』はその一つだ。
恥ずかしながら、おれは15巻単行本を買って、『よつばと!』がどこで連載されているかしらない。そして、「なんかこの作品知ってからすごい時間が経っているような気がするけど、まだ15巻でいいんだっけ?」とか思っている。
それにしてもなんだろうか、どんどんミニマリズムに走っていってないだろうか。絵は緻密になっているような気もするが、なんというか、ここまで空白を、間を読ませる漫画というのもめずらしい。もちろんおもしろい。
ところで、だが、この巻には第100話「いし」が収録されている。いい石を探しに、茅ヶ崎を目指す。が、茅ヶ崎にいい石はない。そこで、通りがかりの「変なおっさん」(ふつうのおっさんなのだが)に聞いて場所を変える。たぶん、大磯……。
いや、違うな、小田原だ!
こんなに石ばかりの浜辺は見たことがない。石辺だ。
丸くてかわいい石を拾う。
俺こそがリア充だったか。
何を言ってるかよくわからないが、おれも丸くてかわいい石を拾っているので、未就学児童と同程度と言えるかもしれない。いや、これこそが『よつばと!』の凄みなのである。とーちゃんだって石にはまってるじゃないか。なにか、掴んでいるのだ、あずまきよひこは。少なくとも石を掴んでいる。すばらしい。
で、いよいよ、よつばもランドセルを買うまで成長した。連載がどうなっているのか知らないが、小学生編に突入するような気はしない。いや、しているのかもしれないけど、まあ調べない。
とすると、『よつばと!』とのつきあいもそろそろ終わってしまうのかもしれない。とはいえ、なかなか出ない漫画なので、そこはどうなのかわからない。