2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

俺たちの夏が聴こえたら

俺たちの夏がラジオから聴こえたら、取るものも取らず、脇目もふらず、俺は海に向かってまっすぐ走っていくべきだった。そう思う20年前の夏。今のおれは髪を切りすぎて外に出たくない。染めていたのもすっかり黒くなってしまったし、あえて黒縁眼鏡にあごひ…

結局、今期のアニメはどれを見ればいいんだぜ?

今期といふても改編期から暫らく經つて仕舞つた。だいたい二、三話見て、いまいち絞り切れぬといふのが正直なところである。「なら、別に絞らなきやよいではないか」と云われればさうに違ひないのであらうが、時間といふやつは有限にしてなかなかさうもいか…

カビキラーでゴキブリを殺す

「たくさんのウナギが殺されているんやで!」 ユニットバスの扉を開けると洗面台のところをゴキブリが慌ててわちゃわちゃしていた。以前のおれならば「キャッ」と声をあげたところだが、加齢のせいか抗不安薬を乗用しているせいか、このごろはずいぶんと冷静…

オール・ユー・ニード・イズ・セル〜『ミッション:8ミニッツ』を観る

ミッション:8ミニッツ [Blu-ray]出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社発売日: 2013/01/23メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (32件) を見る 主人公は列車が爆発するまでの8分間をループし、犯人を見つけなければならぬ。死んでリス…

JRA競馬博物館で競馬について学んできました

みなさん、競馬というとどんなイメージを持っていますか? 赤鉛筆を耳にはさんだちょっとこわいおじさんが、「大穴、大穴」とぶつぶつ呟きながら競馬新聞とにらめっこしているような、そんなイメージを持っていませんか? でも、競馬というのは人類と馬との…

ヨコハマトリエンナーレ2014に向けて『華氏451度』を読む

華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)作者: レイ・ブラッドベリ,伊藤典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/04/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見る ヨコハマトリエンナーレ2014。メーン会場の横浜美術館とマークイズみなとみらいの間に巨大な…

付箋だらけの本を図書館に返却しようとした女について

この間、付箋だらけの本を図書館に返却しようとした女を見た。カウンターの人に、「付箋はとってください」というようなことを言われるやいなや、「すみません!」といって本を引っ込めて奥の方に行ってしまった。付箋を剥がしに行ったのだろう。 おれはそれ…

世界バルクホルン妹協会について

大気よりも軽やかで、力強く孤独な―― 惑乱、私の妹、百頭女。 マックス・エルンスト『百頭女』 世界バルクホルン妹協会がいつ結成されたかは諸説ある。19世紀末のパリで生まれたというものもいれば、オーストリー=ハンガリー二重帝国下のモラヴィアにおける…

はてなさん、ブコメの文中リンクは一発でお願いします

ブックマークの一覧表示はなにを目的としているのか? 一泡沫ブックマーカーのおれとしては、ブックマークされた記事の影響、その反響を見るためじゃあないかと思うわけです。響きを見るためにある。ある記事Aに対しておれひとりの知識、見識、阿頼耶識(阿…

セリーヌ『戦争/教会』他を読む

セリーヌの作品〈第14巻〉戦争・教会 (1984年)作者: L=F.セリーヌ出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 1984/06メディア: ?この商品を含むブログを見る 六十一 あらゆる夢を(ああ)かなえてくれる資産状態を作り上げたい。ぼくはいつまでたっても自由でひと…

都市と建築について

都市計画はそれ自体、コスモスの二次元的な模型であったが、都市と天のつながりは、テラス・塔・柱・ジッグラト・アーチ・ドームのような建築的な垂直性の象徴という形での補強を必要とした。 『トポフィリア』イーフー・トゥアン 都市について一家言ある人…

iMacのファン過剰回転/Macs Fan Controlの導入

iMac(21.5-inch, Late 2012)起動時にファンの轟音。数日はすぐに収まっていた。しかし、しばらくすると延々と轟音を出し続ける。デジタルにPRAMのクリア(今は違う呼び方だったかしらん)、アナログに吸気口、排気口の掃除などするも効果なし。再起動、ス…

さて、帰るか

口に入るものは人を汚さず、口から出てくるものが人を汚すのである。 おれがあまりにも黙って画面に集中していたので上司がそれと気づかずエアコンの、ラジオの、蛍光灯のスイッチを切ってしまった。おれは声を上げた。一ヶ月に一度くらいはそういうときもあ…

続・キンドル欲しかった

キンドル欲しかった - 関内関外日記(跡地) ハードとしてのKindleを諦めたおれ。アプリとしてはiPhone5Sに入れているが、おっさんにはこのサイズで漫画読むのはきつすぎる。そりゃ拡大もできるが、いちいちやってりゃ漫画読むのも興ざめだ。 というわけで、…

思い出せ『思い出のマーニー』

映画『思い出のマーニー』公式サイト 考えてみたら、おれは図書館で配ってたウチワに描かれているマーニーと思しき少女のイラスト一枚しか知らねえなぁ……と思った映画館の座席、客の入りは……お世辞にもいいとはいえないのだった。夏休みの始まった連休の最終…

映画『闇金ウシジマくん』を観るが……ニギニギ

映画 闇金ウシジマくん [Blu-ray]出版社/メーカー: SDP発売日: 2013/02/27メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (6件) を見る パート2のCMなんか見て、そういや見てねえやって。まあしばらく経つけど。そんで、なんつーのか、『渇き。』の後に観たのが悪い…

薬を飲むたびに不安と一緒に「何か」が消えていくような気がする

薬を飲むたびに不安と一緒に何かが消えていくような気がする。 薬を飲むとおれの不安感、焦燥感、憎悪が抑えられる。 一方で薬を飲んで呆けたおれには「何か」が残っていないような気もする。 「何か」がなんだかもわからない。 おれの人生は手遅れもいいと…

なんで大和ハウスじゃないんだ? 映画『渇き。』を観るのこと

※ネタバレあっても知らねえ。ぶっ殺すぞ。 映画『渇き。』公式サイト 本当は一週間早く観るはずだったが、トム・クルーズのせいで一週間遅れた。女に「マーニーとどっちがいいですか? おれは『渇き。』ですが」と打診したら、「調べてみたら『渇き。』がお…

自転車で左折レーンから直進ドーン!『自転車“道交法”BOOK』を読む

おれもかつては自転車乗りの端くれの端くれだったような気がする。 goldheadさん、秋の一都四県195kmクロスバイク日帰りの旅をする。 - 関内関外日記 クロスバイクの行って来いサイクリングで195km走れば、まあそれなりのものだろう。横浜から出て江戸川サイ…

アーシェラ・K・ル・グウィン『言の葉の樹』を読む

言の葉の樹 (ハヤカワ文庫SF)作者: アーシュラ・K・ル・グィン,Ursula K. Le Guin,小尾芙佐出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2002/06/30メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (27件) を見る なんとなくSFを読む季節だと思った。ル・グウィンの…

はてな横浜オフ会後日譚

承前:はてな横浜オフ会顛末 - 関内関外日記(内) 「こちらが例の自転車です。橋の上に放置されていて、処分に困っていたんですよ」 石川町町内会の老人が、かつてはそれなりのスポーツバイクであったらしい、美少女フィギュアと空き缶の詰まった袋でデコレ…

「タイトルロゴがドーン集」は危ない

てさぐれ! 歌もの あんこーるアーティスト: 音楽:井上純一出版社/メーカー: バップ発売日: 2014/03/19メディア: CDこの商品を含むブログ (2件) を見る 『てさぐれ!歌ものあんこーる』集のラストに入ってる「タイトルロゴがドーン集」は危ない。部屋で本を読…

零細の悲哀『嘆きのピエタ』

嘆きのピエタ [Blu-ray]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2014/01/08メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (11件) を見る 主人公は天涯孤独の借金取り。借金取りというよりは、保険金搾取人。小さな町工場を訪れては、負債を返しきれない工場主たち…

深町秋生『果てしなき渇き』を読む

コンビニで見かけて……という話はもう書いた。『果てしなき渇き』である。深町作品は何作か読んでいるが、未読だった。これがデビュー作だという。ものすごい密度と速度、そしてどっろどろのノワール。主人公の元刑事が「いくらなんでも主人公がその一線を越…

ブローティガン『突然訪れた天使の日』を読む

突然訪れた天使の日―リチャード・ブローティガン詩集作者: リチャードブローティガン,中上哲夫出版社/メーカー: 思潮社発売日: 1991/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (8件) を見る 訳者あとがきによれば、ブローティガンは…

原作からどこまで遠くなので? 映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を観る

※ネタバレ、執筆者による勘違いが含まれている可能性があります。ご海容ください。 金曜日夕方、スーパーマーケットの駐輪場、買い物を終えたおれ、iPhoneの着信音。ホームボタンを押す。通知画面を見ると「トランセンデンスかオールユーニードイズ行きませ…

キンドル欲しかった

おれはこのところ小説の類=図書館、漫画=購入というパターンになっている。本を買わなくなったぶんの浮いた金を、漫画に落とそうという具合だ。とはいえ、週刊誌、月刊誌戦線から15年以上くらい遠ざかっているので、せいぜい気に入ったアニメの原作や関連…

おれはテストの愛し方を間違えていた

今週のお題「テスト」 おれはテストが好きだった。勉強することは大嫌いだったけれど、テストは好きだった。思えば、自己性格診断のようなものだと思っていた。おれは実のところ、非科学的なものであろうとなんであろうと自己性格判断のようなものが好きだ。…

イサーク・バーベリ『オデッサ物語』を読む

オデッサ物語 (群像社ライブラリー)作者: イサークバーベリ,中村唯史出版社/メーカー: 群像社発売日: 1995/10/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る オデッサ - Wikipedia オデッサ市沿海地区には、大横綱大鵬の銅像が…

リチャード・ブローティガン『東京モンタナ急行』を読む

東京モンタナ急行作者: リチャード・ブローティガン,藤本和子出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1982/10メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る 山手線の電車が入ってきた。 それも緑色だが、駅のかたわらの土手のような、ほとんど…