天皇賞(春)

http://keiba.yahoo.co.jp/scores/2006/08/03/04/11/result.html
 武豊ディープインパクトのことを「英雄」というが「英雄」というには悲劇性や悲愴感が足りず、高橋源一郎などは魔法少年ハリー・ポッターなどになぞらえていたが、ならばおれはハリー・ポッターのまたがる空飛ぶほうきではないが、ほうき星のような馬だと思う。彗星衝突の衝撃のそれではなく、この遊星をかすめて飛び去るほうき星の幻影が三コーナーで地を這う馬をかすめて遠く消えていく。
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 さて、俺はというとトウカイトリック二着固しという思いは時間が経てば経つほど薄れてきて、日曜日の朝からむしろウィンズへ向かう足取り重く構想は何もまとまらず、あやふやな思いを抱えたまま夏の陽気を歩いて行く。まず、皐月賞などの馬券四枚払い戻してみると、俺の想像していたよりも二枚ほど福沢諭吉が多くて喜び、これも算数嫌いで生きてきたおかげかなどと思い、こういう場合世間の人はいきおいいさんで天皇賞馬券に増資するのやもしれぬが、俺は自分の分をわきまえすぎた人間なので、半ば心はその後の古本屋などに飛び、天皇賞もあっさりと三連単フォーメーションを買う。一着固定はディープインパクト、二着、三着欄にはトウカイトリックリンカーンストラタジェムマッキーマックスとした。トウカイトリックは元よりの馬で、リンカーンは清水が◎の意気を買い、さらに長距離血統でひいきのストラタジェム、鞍上はオーストラリアのボスもマカイビーディーヴァでの挑戦もあればコースも知っていよう、そしてトウカイトリックに勝ったマッキーマックスもおさえた。デルタブルースは近走のだらしなさ、アイポッパー藤田伸二の選ばなかったことと復調途上、ローゼンクロイツ武豊を乗せての前走からここに勝負はないと見た。……が、いずれも紙一重の選択であって、さらにトウカイカムカムファストタテヤマあたりも気になっていたのだから、財布の余裕が逆に点数を絞る結果になった。
 そして、トウカイトリックは自分の競馬ができず、応援の単勝を握っていた俺としては一瞬のわくわくもなく残念であったが、勝ち馬のパフォーマンスの前にはちっぽけなもの、馬券も当たれば文句はないだろう。
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http://keiba.yahoo.co.jp/scores/2006/05/02/04/11/result.html
 東のメーンはスイートピーステークス。こちらも乱戦模様と見て懲りずに馬連ボックス、イエロージャケット、カワカミプリンセス、ノンコ、パーフェクトジョイメジロレントの五頭とイエロージャケットの単勝など買って穴を夢見てみたが惜しくも破れた。乗りに乗っている石橋守と、アドマイヤメインのように逃げの利く馬場を見逃した失敗であった。イエロージャケットも勝負にならんというわけでもなかったが、上位までは厳しかった。俺はオークスアサヒライジングと決めてかかっているが、ヤマニンファビュルの存在は少しやっかいになりそうだとも思う。