さらば耐熱容器

 アパートに引っ越してきてから使いはじめた電子レンジ用耐熱容器が、キッチンの上からダイブして粉砕。俺はそのときテレビの前にいたので、たいそう驚いた。食器を満足に収納できない、したくない俺の性質がこの死を招いた。慚愧の念に堪えない。
 さて、困ったことになった。この耐熱容器――本体は白色の柄入り(ガラス?)、蓋はごつい透明ガラス製、割れるものと思っていなかった――は、野菜類の下ゆでから作ったカレーの保存、ジャム作りなどなど、実に幅広く活躍してくれた。スープ類などもそのまま食卓に持ってこれた。それにともかく、蓋つきというのがよかった。いちいちラップの類を引っ張り出す手間、使い終わったら捨てる手間もかからない。おまけに、容器内で小爆発があったところで、ごついガラス蓋がちょっと浮き上がる程度。ラップほどやわじゃない。この利便性はかなりのものだった。本当に。
 というわけで、さっそく後釜を購入することが可決された。が、何を? どこで? この容器は実家解体のときに、未使用品としてどこかからでてきて、「あんた持って行きなさい」となったもの。外箱もない。容器を隅々まで見てみたら、小さく「FRANCE」とだけ彫ってあった。本当にフランスかどうかしらん。でも、ともかく電子レンジがらみで検索してみる。
 [rakuten:manmaru:10003832:image]
 うーむ、これ、この蓋の形状はよく似ている。キャセロールってなんだ? フランス語でシチュー鍋みたいな意味か。つーか、「キャセロール 電子レンジ」で検索したら、ゾロゾロ出てきた。そうか、死んだあいつはキャセロールだったんだ。よし、安いの探して買うぞ。