『つめたく冷えた月』

つめたく冷えた月 [DVD]
 原作はチャールズ・ブコウスキー。「人魚との交尾」ってどんなのだっけ? ああ、「町でいちばんの美女」を読んだのはずいぶん前、というか、俺はこれからブコウスキーに入ったんだったっけな。また、読み返してみよう。
 こちらの映画はリュック・ベッソンがプロデュースしたフランス映画。ブコウスキーをフレンチなアートな感じにした、フレンチでアートな映画という印象。全編モノクロで、なんとなくそう見えてしまうのさ。
 内容としては、仕事もろくにしないでほっつき歩く二人組のダメ中年、それがあるとき若い女の死体を盜みだし……といったところ。そこんところがメーンテーマなんだけど、それの組み込み方はちょっと一ひねりしてるってか。で、期待の屍姦シーンだけど、それほどフェティッシュな感じでもなく、しつこくもなく。モザイクというか、ぼかしが大きすぎてちょっとギャグに見えてしまったのが難点。でも、ちゃんとやってたな。ああ、きれいな屍体なので、グロ嫌いの人でも大丈夫。……って、屍姦自体でアウトかしらん。
 それはともかく、ハゲでチビじゃないほうのダメ男の役者はなかなかすごかったな。ダメ中年のエアギターっぷりはいいよとか思ったな。
 そんでもあれだよな、どっかしら違うよな。なんかブコウスキーでは、少なくとも俺の感じるブコウスキーとは……、ちょっと違うかな。でも、フランス語しゃべってんだぜ、別物に聞こえたってしょうがねえだろ。『バーフライ』とどっちが面白かったかって、たぶんこっちだけど……、やっぱり本人が出てくる『ブコウスキー オールドパンク』(id:goldhead:20070808#p2)だな。
ブコウスキー:オールド・パンク [DVD]町でいちばんの美女 (新潮文庫)