3,000m障害の話

北京五輪第10日の17日、女子三千メートル障害決勝は、サミトワガルキナ(ロシア)が自身の持つ世界記録を更新する8分58秒81で優勝。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20080818k0000m050106000c.html

 テレビでたまたま生中継を見ました。理由はわかりませんが、3000m障害に出走する人には、美人が多い。スタート前の選手紹介を見てそう思ったものです。そして、勝ったのはサミトワガルキナ……? テレビではサミトワだけだったような。まあ、人の名前なんてのは一筋縄でいかないもんです。しかし、3000m障害、ハードルと水壕ってまるで競馬じゃないですか。障害物競走だったら、網をくぐったり、顔面を小麦粉だらけにしてあめ玉を探し当てたりするはずだ。
wikipedia:3000メートル障害

一般的に3000mSCと表記され、SCはスティープルチェイス(Steeplechase)の略である。

Steeple(教会の尖塔)を追う、という意味の競技名が示す通り、昔、ヨーロッパの各々の村が教会を中心としたコミュニティーだった時代、ある村の教会を出発点とし、別のある村の教会をゴールとした徒競走(もしくは馬術競走)をする際に村境を示す柵や堀を飛び越えて行ったことに由来する、ヨーロッパなどで人気の高いクロスカントリーのレースをトラック上で再現するためにつくられたと言われ(競馬の障害競走を陸上競技に転用したものという説もある。)、障害物(いわゆる平均台にハードル色のペイントを施したもの)が28個、水濠が7個の計35個の障害がトラック上にある。

 ほうほう、スティープルチェイスってそういう意味だったの。そして、競馬を陸上に転用という説もあるの。私の競馬気違いだけではなかったようでなによりです。ちなみに、馬は3,000m障害をどのくらいで走るかというと、[http://www.jra.go.jp/datafile/record/tokyo.html:title=シルクリスペクトが3:17.5で走ったりしている」。もちろん、障害の内容が違うので比べようはありません。
 ついでに平地を……と、思っても、あまり適合する距離はないのですね。馬は100m走をやらないし、人の競走体系はヤード・ポンド法(マイル)に基づいていない。……オリンピックがイギリス発祥だったら「男子1ハロン競走」とか、「女子2マイル競走」とかやってたのかしらん?
 そこで唯一接点があるのは、1,500m走でしょうか。忘れもしません、高校の頃の体育の時間、1,500m走をやらされるたびに、ダンスダンスダンスの名前を思い浮かべていたものです。「馬はこの距離を1分27秒で走るんだよなあ」と(現在の芝1,500mのレコードホルダーはブルーメンブラット。このレコード更新は、ネーハイシーザーの名前が消えたときくらい残念でした)。しかし、人間の現在の世界記録は3分26秒というのだから、人間もあなどれない。体育の測定で、私はどのくらいで走っていたのだろう?
wikipedia:マイル

メートルマイル(Metric mile)は、マイルをメートル法化したもので、その長さは1,500メートルである。1500という数字は、1マイル(1,609.344メートル)に近く、かつメートルできりの良い値になるように決められたものである。メートルマイルは陸上競技で使用されている。中距離走の1500メートル競走は、国際大会においてそれまでの「1マイル走」に代わるものとして始められたものである。

 ところで、ウィキペディアの「マイル」に、上のような記述を見つけました。なるほど、陸上競技の中で唯一競馬と接点がありそうな距離だというのも、理由あってのことでした。それに、やっぱり人間も「1マイル走」を走っていたのですね。
 マイル走の可能性……。今後、陸上競技でも新たなる才能、新たなる用具(水泳のレーザーレーサーのような)、新たなるトレーニング、新たなるフォームなどにより、記録は詰められていくはずです。しかし、青天井ではない。人間がメートルマイルを1分30秒で走りきる日は来ない。そこで、なんかちょっとポンド・ヤード法にしてみるとか、そういうのはどうでしょう。ちょっとした差で、また余地を伸ばす。……うーん、苦しいかな。まあ、たぶん私はそこまで生きていないでしょう。