『アンラッキーヤングメン』藤原カムイ×大塚英志

アンラッキーヤングメン 1 (単行本コミックス)
 こないだ映画『光の雨』を見て以来、なんとなく内なる反革命と戦い続けている俺なのであって、今日はブックオフに行って山本直樹の『レッド』でもないかと思ったのだけれども、はっきり言って俺はもうそれがどの出版社の何の雑誌に連載されていて、どんな判型で出ているのか皆目見当つかないのであって、ひときわでかいこの『アンラッキーヤングメン』を代わりに買ってきたのであった。何だよ、二巻ものなのかよ、と後から気づいた。
 藤原カムイといえば、『ロトの紋章』というより『犬狼都市』……ちがうな、それじゃ澁澤だ。『犬狼伝説』。押井守の、ケルベロスのやつ。あれも偽史戦後だったっけな。あの中の戦後は、逆なんだよな。でも、学生運動とか、そういう時代の空気みたいなのは描かれていたっけ。それで、そうだ、まさにその世代のワセダのガクセーであった父がちょっと見て、「これはぜんぜん違う」と言ったのだった。それは、そのSF設定を知らずに言ったのか、はたまた描写を見て言ったのかよくわからなかった。聞きもしなかったが、さて。
 まあ、さて、『アンラッキーヤングメン』。これはその時代の大物たちを大胆に配置しなおして、それで物語にしている。なんというか、60年代日本のスーパーロボット大戦シリーズというか、そんな感じ。
 ……そういうゲームはどうだろうか。世界同時革命を目指す革命プレイあり、女性同志との恋愛を育むシミュレーションあり(永田洋子に見つかったらバッドエンド)……って、無理だな。まあ、50年、100年後にでも。
 それはそうと、漫画だった。まあともかく半分しか読んでいない。やはり藤原カムイは絵がきめ細かい。とくにこれは細部の書き込み(風加工)にこだわったようで、重苦しい空気が出ている。が、ちょっとやっぱり綺麗すぎるとも思う。寝取られてもドロドロしねえよ、って。まあ、それが主題ではない。早く次を買う。