ワンカップ無題

 あるくだらないものを買い求めて、何件かコンビニに寄った。寿町近くのコンビニにも寄った。目的のものはなかった。寒い夜だった。急に、お燗した日本酒が飲みたくなった。悪酔い承知で、ワンカップ大関でも買おうと思った。たまにそんな気になる。ワンカップ大関はよく売れていた。よくわからないが、ジャンボと普通サイズの値段が一緒だった。222円だった。俺はジャンボを買った。一本だけ買った。222円、小銭でちょうど払った。自転車を漕いで帰った。帰ったころには体があったまっていた。だから俺は、お好み焼きを焼き、ビールのようなものを飲んだ。貧乏人は貧困について語る言葉を持たない。