アニメ『ばくおん!!』観てカタナに乗りたくなる

S.H.フィギュアーツ ばくおん!! 鈴乃木凜 (ライダースーツ)&GSX 400S KATANA 約135mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
 カタナは美しいバイクである。小刀、懐刀であっても美しいバイクだと思う。おれがそう思ったのはいつのことだったか。ヘタすれば幼稚園のころではなかっただろうか。おれと弟に適当に買い与えられた2台のバイクのおもちゃ。そのうちの1台がカタナだった。ただ、最初はそうかっこよく思えなかった。もう1台の、たぶん外国製のバイクのほうがよいかな? と思った。ひどく迷った。迷っていると、弟が外国製の方を取ったので、カタナのおもちゃはおれのものになった。するとどうだろう、なにか妙な感じの「顔」がえらくかっこよく思えてきたではないか。ライトが垂直に立ち、シュンシュンとよこに出っ張りがある。そこから伸びるボディの曲線。銀色の車体。カタナはおれのお気に入りのおもちゃになった。
 それから十数年が過ぎた。おれは原付きなどに乗るようになっていた(おれが自転車で車道を走るのに恐怖を感じないのはこのころのおかげではある)。父親と共有のDIOである。一方で、弟は中型二輪の免許を取った。免許を取って中古のバイクなど買おうかということになった。バイク雑誌など買ってくるようになった。そしておれは、カタナがすでに生産中止になっていること、ただ、中古では売っていることを知った。おれのカタナへの愛が復活した。弟はどこぞのバリオスとかいうバイクを買った。おれも二輪の免許を取ろうかと思った。
 思ったが、自動車教習所で嫌な思い(今時の教官どもの態度は違うのだろうか?)をしたせいもあったし、金もないし、思うだけだった。思ってしばらく経ったら、自宅がなくなって一家離散となった。おれは生きていくのに精一杯で自転車を買うのにも数年かかった。仕事も金にならず、時間も余裕はなく、バイクなどというものとは無縁になっていた。弟は「乗らなくなった」という理由でバリオスを手放した。
 さて、おれは余裕が無いくせにクロスバイクに手を出し、ついには原付が買えるくらいのCOLNAGO ACEなんぞを買ったりした。買ったりしたが、所詮は自転車である。一度か二度弟とニケツしたが、250ccでも感じるあの加速というものには、やはりまたべつの魅力がある。
 そして話はこのエントリーの頭に戻る。『ばくおん!!』である。登場人物の一人がスズキ狂いのGSX400Sカタナ乗りで、めっぽうかわいい。めっぽうかわいいのはいいが、やはりおれは作中のカタナに見とれてしまう。バイクに乗る、遠乗りする、なにか素晴らしいようなことのように思える。おれはバイクに乗りたい、できたらカタナに乗りたい。
 ……でも無理なんだよなあ。まず教習所に通う金がない、バイクを買う金がない。でも、いくらかのあこがれはある。たぶん、憧れたまま死んでいくと思う。それでもカタナは抜群にかっこいい。それでいい。
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