はて、これはなんの映画だったろうか。『灼熱の魂』で検索しようか、いや、やめておこう。おれは予備知識なしで作品に当たるのが好きで、ネタバレなんてもってのほかというタイプの人間だ。
で、なにやらフランス語を喋っている。移民のようだ。フランス、アフリカからの移民の話か……。
ハイ、ブー。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を「イギリスの話か」と思っていたのと同じ間違いでした。舞台はカナダのケベック州とレバノン(とはたぶん映画で明言されてないけど……地名からわかるのかな)。考えてみれば、ドゥニ・ヴィルヌーヴ作品ということで借りたのだった。いかにもケベックっぽい名前だものな(って、サンプル数2、ジル・ヴィルヌーヴ、ジャック・ヴィルヌーヴ)。
というわけで、急死した母の遺言から兄を探すことになる双子(姉と弟)の話。そして、その母親の若い頃の話。
正直言うと、冗長と思った。ちょっと長いな、と。話の方も、まあ、こんなところか、というか。悪くはないが、もうちょっとさっぱりいかなかったのかと。いや、加齢とともに長い映画が苦手になってきている(得意だった時期があったわけでもないけれど)というのもあるけれど。
とはいえ、ある風景をカメラがパンさせていくところとか、「いいな」と思うところもあった。そういうところ得意よね。もちろん、母と娘の「灼熱の魂」は見どころだ。そして、自らのルーツを辿ることにより、自分とはなにかということを探るのは『ブレードランナー 2049』にも通じるものがある……とは言わんけれど。
……ところで、「灼熱の魂」という邦題はどうなのだろうか。うーん。まあ、Wikipedia先生によると、
レバノン生まれでカナダ・ケベック州に移住した劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲『焼け焦げるたましい(原題:Incendies、火事)』(2003年) の映画化。
だから、いいのかな。まあ、『火事』よりはよかったろう。『アンサンディ』とか言われてもわからんし。でも『炎 アンサンディ』というタイトルで舞台やってたみたいだな、日本で。
というわけで、まあ、なんかその、そんなところで(どんなところだ)。
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