鬼才キム・ギドクの死 そしてその作品を振り返る

嘆きのピエタ(字幕)

韓国の鬼才キム・ギドク監督、新型コロナ感染で死去 : 映画ニュース - 映画.com

韓国の鬼才キム・ギドク監督が12月11日(現地時間)、ラトビア新型コロナウイルス感染症による合併症で死去したと、ラトビアやロシアメディア、韓国メディアが相次いで報じている。59歳だった。

キム・ギドク死す。この話は女からのメールで知った。「たしか、好きだったよね?」。ああ、好きだとも。ある映画監督の作品をほぼすべて見ている。そういう監督の一人だった。「鬼才」という言葉が似合う映画監督だった。その「鬼」がハラスメントという形で出てしまったこともたぶん事実だろう。しかし、それで作品すべてを否定することはできない。おれに韓国映画の、いや、映画の凄まじさを教えてくれた映画監督だった。

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おれがキム・ギドクを最初に見たのは『サマリア』のようだ。とうぜん、中身は覚えていない。おれは記憶力がない。おれの感想の書きっぷりからして、また観てみてもいいだろう。

 

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次に見たのは『うつせみ』だ。とうぜん、中身は覚えていない。もう一度観たくなった。

 

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これはなんとなく雰囲気だけ覚えてる。内容は覚えてない。……って、この回顧意味ある?

 

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この映画に乗れなかったところの一番のところはどこかといえば、女性に対する暴力だ。

初めて「乗れない」と書いたのがこの映画だ。韓国映画全般について、というと主語が大きいかもしれないが、昭和生まれの日本人にとってもちょっと女性に対して暴力的じゃないか、と思ったのを覚えている。

 

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これは、なんかエロいらしいぞ。みんな見ろ。

 

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この監督は腰使いにこだわりがあるのか

腰使いにこだわりがあるらしいぜ。

 

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たぶん、日本人にはわからない米韓関係というものが背後にあると思う。たぶん。

 

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しかし、2008年はキム・ギドクばっかり観てるな、おれ。

 

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この作品については、なにかヒリヒリするような思いを抱いたような気がする。

 

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これについては、ほんとうにキム・ギドクづくしなのであって、ファンにはおすすめというしか。

 

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オダギリジョーが出ていた。

 

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股間にくる映画、のようだ。怖い意味で。

 

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これはキム・ギドク流の南北朝鮮問題の映画だろうか。すこし覚えている。

 

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マ・ドンソク映画として見たようだ。これについては話もあるていど覚えている。が、たぶん、『サマリア』や『うつせみ』ほどの衝撃はなかったのだと思う。たぶん。

 

というわけで、おれは自分でかなりの衝撃を受けた、キム・ギドクの初期作品をあらためて観たくなった。というか、おれってなんにも覚えられない人間なんだよな。「え、覚えていないの?」と人に何度言われたことだろう。でも、おれという人間の趣味や感性は、過去のおれの趣味や感性に近いものだから。

それにしても、もう新作が観られないというのは残念な話だ。なんでラトビアにいたんだ? よくわからない。よくわからないが、キム・ギドクの死に方らしいなどとも思ってしまった。とりあえず手を合わせる。