黄金頭さんが2018年読んだ本から5冊おすすめするの回

ブロガーいうもんは(……以下略)。

というわけで、5冊ほどよかった本をおすすめしたい。もちろんのことながら、おれは新刊などあまり読まない。読めない。死んだ人間の本の方が好きである。

 

シオラン

5冊、とかいっておいて、いきなり著者名というのはおかしな話だが、今年おれの最大の出会い……アニメ、映画、漫画、音楽全部ひっくるめて……はシオランであった。今年の後半はシオランばかり読んでいたような気がする。なので、「この本!」というのは選べない。というわけで、とくに面白かったのを挙げる。

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半分しか読んでないのに? いや、それでいいのだ。このノートからそのまま著作に記された内容もあれば、個人的な日々の生活もある。これは面白いし、読みやすい。あえて半分残しているんだ。

 

カイエ 1957‐1972

カイエ 1957‐1972

 

 

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生誕の災厄

生誕の災厄

 

そして、おれがおれの反出生主義というものを深く認識させてくれたのがこれである。

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これもどちらかというと『カイエ』に近いのかもしれないが、シオランの為人というものが垣間見えて楽しい。ファンなら買い、だ。

 

シオラン対談集 (叢書・ウニベルシタス)

シオラン対談集 (叢書・ウニベルシタス)

 

 

『不穏の書 断章』フェルナンド・ペソア

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もしもシオランを読まなければ、おれの今年の最大の出会いはフェルナンド・ペソアであったろう。こちらも、アフォリズムほど短くはないが、それでも断章の人である。そして、複数人格を作り上げてすばらしい断片を作り続けた。おれはポルトガルをほとんど知らないが、ペソアの記述に従ってGoogle Mapなどを見たりもしたものである。

 

『集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した』

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今年も何冊か仏教の本を読んだが、とりあえずこの一冊を。これがブッダの教えのそのままだ、というテーラワーダ仏教の本も読んだが、なんとなくしっくりこなかった。それよりも、中国や日本で変容していった流れ、その多様性のほうが面白い。

 

『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』ブレイディみかこ

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政治関係の本はあまり読まなかったが、これは印象に残っている。この人は地べたからものを見ることができる人だと思うし、おれはその見方に乗れるな、と思った。相も変わらず安倍政権は続いているし、野党にも大きな動きはない。市民運動が盛り上がっているという感じもないし、おれの景気がよくなっているという報告もない。さあ、どうなるんでしょうかね。

 

 

『一瞬の夏』沢木耕太郎

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これはもう最高におもしろかった。おれの行動範囲の地名がバンバン出てくるのもよかった。それにしても、なんといってもカシアス内藤という人物の強さと弱さ、それに惹かれた。ちょっと沢木耕太郎の本については一休みになっているが、また読みたいと思った(今)。

 

……あとは、ここには挙げられなかったが、深町秋生の何作かはいつものことながら楽しめた。仏教本については、鈴木大拙止まりであったところから、現代的なものを何冊か読めたかな、と思う。そのあたりは適当に検索して探してください。ともかく今年はシオランだった。以上。