もし今のカープの不振の原因がトラックマンのせいだったら……

広島九里亜蓮コロナ復帰3戦目で白星 「先に点やらない」変化球で粘り勝ち - プロ野球 : 日刊スポーツ

8連勝と勢いに乗っていた巨人を止め、チームの自力V消滅も阻止。

昨日の九里くんはよう投げたし、野間もよう打ったし、栗林は見事だった。

……というような試合の翌日に書くことではないかもしれないが、少々気になっていることを。

Twitterなどでカープがらみのタイムラインを眺めていると、「佐々岡監督やめろ」、「いや、監督のせいではない」論争とともに、たまに「トラックマン導入論争」が出てくる。DAZNの中継(日テレ系映像?)など見ていても、トラックマン使ったらしき数値やシミュレーションが出てくる。そんなこともあってだろうか。

トラックマン。高性能弾道測定器。プレーのいろいろを数値化する。それを解析して、戦略、戦術に活かす。12球団で導入していないのは広島カープ1球団のみである。

goldhead.hatenablog.com

おれのトラックマンに対するスタンスは2年前に書いたこの記事から変わっていない。鈴木誠也會澤翼が導入を望んでいる。それだけで十分じゃないか。とくに上のエントリーに引用した會澤の言葉は強い。

會澤翼侍ジャパンでトラックマンのデータに触れ、導入賛成派。「これはすごいと思いましたね。捕手として対戦してきた経験が大事だと思っているのですが、それでも困ったときの根拠になる。特に対戦が少ないときはいい」。

が、導入してないのである。「でも、三連覇したじゃん」という話もあるかもしれない。けれど、その後はどうだろうか。各球団がどんどんデータを蓄積し、その取り扱いの能力を向上させていくなか、カープだけ取り残されているとしたら……。

これは怖い。たとえば、今年のカープの不振の一つにコロナ禍というものがあって、主力選手がごそっと抜けた。これは目に見えて戦力差が出たな、とわかる(もっとも、代わりに出てきた控えや二軍の選手たちががんばった試合はおもしろかったけれど)。

が、なんかわからんが、データ解析で、微妙に差がついていき、年々、じわじわとその差が大きくなっていたとしたらどうだろう。各チームがデータ解析により自軍の新戦力を発掘したり、選手の技術の底上げをしたり、守備位置などの微妙な調整をしたり……。ファンの目にははっきりとわからないけれど、もし、そうだったらどうだろう。わからないだけに、怖い。

そのあたりの差が、「どうもチーム打率はいいのに点が入らない」、「日本代表に複数人選出されるだけの選手がいるのに最下位だ」ということになっていたら。これは、たいへんな話だ。もしも、佐々岡監督が圧倒的に監督としての能力を欠いていて、来年にでも交代となってカープ復活となればそれはそれでいいけれど、もしそうではないとしたら。森下も栗林も解析されてしまったら(そういうのができるのかどうかもしらんけど)。

おれは目に見えないものを恐れすぎているのだろうか。とはいえ、あらためて言うが、12球団のうち1球団だけなのだ、無いのは。ほかのチームはすべてピッチングマシンがあるのに、カープだけない、くらいの差があるとしたらどうだろう。ラプソードは巨人だって使ってる。やばい。しかも、今から導入したところで、それを活用する経験において何年か遅れをとってしまっている。もう、こうなったら、アメリカあたりで普及しつつある次世代のなにかをいち早く取り入れるくらいしかないのではないか。

……と、言い切れないのがつらいところだ。というのも、三連覇で貯めた金はあったろうが、去年からのコロナ禍、売上減で「無い袖は振れない」と言われてしまえば、それはそうだよね、という現状だからだ。もう貧乏球団とは言えないかもしれないが、オーナー企業いないというのは変わらない。苦しいところだ。

おれのトラックマン恐怖症、杞憂であればいいのだが。

 

中沢啓治著作集1 広島カープ誕生物語2巻

昔は猛練習でどうにかなったかもしれないけれど……。