漫画でもジェフでもないベックについて

 テレビブロスの音楽コーナーは、妙にマニアックだ。その方面の音楽は詳しくないので、九割くらい知らない名前が並んでいる。が、今号一番上に紹介されていたのがBECKのニューアルバムだった。そして、その評を読むにデビューの頃に回帰した感があるとのこと。これにはちょっと心動かされた。
 中学の頃、深夜フジテレビの洋楽ミュージック・クリップ番組「BEAT UK」を毎週見ていた俺。そこではじめてベックを見たんだ。あの妙な踊りと脱力するような歌声、「I'm a loser baby so why don't you kill me ?」。そう、「Looser」だ。俺はすぐさまアルバムを買った。タイトルは『MELLOW GOLD』(ASIN:B000007090)。そして、俺はベックのアルバムでこれが一番好きなのである。
 二作目は『オディレイ』(ASIN/B0000561RV)。これも好きなアルバムだ。一作目との着差はクビ差くらいだ。ベックで一番好きな曲は?と言われれば、このアルバムの「ジャック・アス」と答えよう。
 しかしその後、『ステレオパセティック・ソウルマニュレ』(ASIN:B00004WFLJ)はある種いい感じだったけれど(収録は初期のものだけど)、『ミューテーション』(ASIN:B00000DHYK)はどんな曲が入っているか皆目覚えていない。『ミッドナイト・ヴァルチャーズ』(ASIN:B0000QX10U)は耳に残る曲もあったけれど、ファンクとソウル風に統一されすぎてて幅がなかった。そして遂に、『シー・チェンジ』(ASIN:B00006F7S4)に至っては、一曲も聴いていないというありさまになったのだ(今、Amazonの評を読んだりしたら聴きたくなったけれど)。
 で、最新作『グエロ』(ASIN:B0006OR19S)。気になったとはいえ、三千円かぁ?どうしようかなぁ、と迷うところ。が、なんだこれ、一番シンプルな輸入盤だと千三百八十円(ASIN:B0007SL1LW)? こりゃ買いだわ。DVDいらねえし、日本版ボーナストラックって嫌いなんだよな。こう、アルバム一枚の構成を壊す感じがしてさ。日本語版売りたいのはわかるし、俺だって歌詞カードや対訳が欲しくないわけじゃないけどさ。いやはや、しかしAmazon万歳だ、これは。