無駄な遠回りではなかった

http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200604/bt2006041906.html

「何がきっかけかわからん。こんな空気もリズムも今まで経験したことがない」

 揶揄ではない二点打線だったカープ。特に前田智徳の二番が完全に機能不全に陥っていた。あるファンは「打順をスタンダードな物にすべきだ」と考えたし、あるファンは「前田はきっと打ち始めるから待ってみよう」と思っただろう。ぼくは中途半端なところで、「前田と嶋を入れ替えるだけでは駄目だろうか。二番嶋は昨日していた過去がある」とか思っていた。ただ、ブラウン監督が選んだ方法を信じようと。
 その結果の打順変更、そして大爆発。あまりにもハマりすぎていて信じがたい面もある。ただ、ブラウン監督が打順変更を決めた裏には、選手達の声もあったろう。そこに衝突や対話があって、チームのダイナミズムが生まれた。そう思いたい。去年までのカープには、そういう熱さが無かった。
 むろん、まだ一回の爆発にすぎない。相手の不調もあっただろう。しかし、この打順変更に至るまでの過程は無駄ではなかった。一点差の試合を守り抜いてきたのも無駄ではなかった。たぶん、そういうことだ。そういうことだと思いたい。