大相撲がよくなってきている

http://www.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20061127i513.htm

内館牧子委員は、「蹴手繰りなんて、そもそも語感が汚いわね。横綱が、『先場所、負けてるから』なんて言ったそうだけど、横綱の発する言葉じゃない」とピシャリ。

 だが、ちょっと待ってほしい。内館牧子はプロレスマニアである。プロレス雑誌で連載していたのを選手名鑑号で見た覚えもある。これはもう、横綱審議委員会朝青龍内館牧子朝青龍のアングルを作るために必死になっている以外に考えられない。そうでなければ、決まり手の語感にまでケチつけるはずがない。そう、彼女は「横審でふんぞり返ってて、なんかムカツクよ、あのババア」と思われやすい立場を、最大限に活かして、さらには楽しんでいるにすぎないのだ。
 ……と、俺は思うのだけれど。いや、だって、けたぐりの取り組みもたまたま見ていたけど、ありゃあ見事なもの。そのあと新聞で、「出稽古で相手のわずかな動きまで見切れるようになっていた」みたいな話が出ていて、いやあ、すげえなあと思ったもんよ。でも、ケチつくだろうなって思ったのもたしか。しかし、このわかりやすさこそ阿吽の呼吸。モンゴル国内の人気でも旭鷲山白鵬に大きく差をつけられ(ソースは東スポ)、いわゆる一人勝ち状態は面白く思われていないとされる朝青龍琴欧洲(なんで改名しちゃうかな)や黒海把瑠都も互角のライバルとはいえず、日本人力士は期待できない。そんな中で対立軸を出してやり合うとすれば、土俵の外だが相撲の偉いところ、横綱審議委員会しかない。そのうち、東北大学相撲部出身の内館ハッスル軍力士とか出てきて、モンゴルモンスター軍と抗争を繰り広げるのだ。牧子の車のドアミラーを破壊するのだ。
 ……と、相撲もプロレスも詳しくない俺は思ったんだけれど。まあ、普通に外国人力士の朝青龍が嫌われているだけかもしれないか。俺は相撲ファンでもないが、相撲は多国籍化すればするほど(たとえ日本人力士が減ろうと)面白いんじゃねえかと無責任に思っている(id:goldhead:20050728#p3、id:goldhead:20060522#p4)ので、もしそうだったら面白くないが、面白くないと思えること、対立の軸があること自体は面白いのだ。漫然と、波風立たず、同じ事を繰り返しているばかりでは、そこになにかエキサイティングなものなど生まれないのだ。相撲の世界では日本がメジャーリーグでありセリエA、世界規模の贅沢なものを見せておくれよ。