謝罪が白々しく見える古舘伊知郎研究

 テレビ朝日は5日「報道ステーション」の中で、4日に後期高齢者医療制度に関する厚生労働省調査について放送した際、スタジオ内のモニターで人口動態統計についての会見映像を誤って流していたことを明らかにし、古舘伊知郎キャスターが冒頭で謝罪した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080605-00000154-mai-soci

 これ見てたけどよ、単によ、会見に並んだ役人のおっさんが違っただけでよ、まあもともとあってもなくてもいいような画像で、イメージ画像でもなんでもいいようなもんの類でよ、そりゃあまあもちろん間違いは間違いだし、映ってた側としては「俺、後期高齢者医療制度について会見してねえし」ってことになるし、その人の責任みたいなもんもあるだろうし、訂正・謝罪はあったり前だけどさ、しっかし、詫び方ってもんがあるだろうってさ、俺、そう思っちゃったわけよ。
 「詫びが足りない」っていうのじゃないのよ、逆なのよ、たかがこのくらいの訂正に「われわれマスメディアは視聴者の信頼を……」云々と、ぐだぐだと、そんなに時間かけてやんなくていいよって。そんくらいだったら、サラッと「昨日の映像に間違いがありました。謹んでお詫び申し上げます」って言って、画面に正誤の二枚並べりゃいいだけでよ、ぐだぐだ言ってる分で、短いニュースの一個くらい流せたんじゃねえかって。
 つーか、古館の詫びの文言って前にも聞いてさ、そんときはなんか怒ってるみたい(古館が)で違和感あったんだけど、やっぱりなんだろう、言葉がさ、饒舌な分だけ逆に機械的に聞こえるってところがあって、その饒舌さの中身も紋切り型でさ、やっぱり「腹話術の人形みたいに空虚な古舘伊知郎研究」だなあって思ってしまうわけでさ、たとえばテレビ朝日職員が路上で股間露出して捕まったときとかもさ、なんか面白いこと言えよって、「マスメディアも政府や官僚に情報公開を迫る以上、自らの情報公開も必要ですが、股間まで公開して迫るべきではありません」とかさ、いや、あんまり面白くなくて悪かったよ。ああそうだ、「古館、面白いこと言え」ってプレッシャーもあったんだろうな、でも、うまくいかねえよ、人間そんなの嫌だよ。
 ああ、そうだ、そうなのだ。だから古館は「腹話術の人形みたいに空虚な古舘伊知郎研究」になってしまったのだ。腹話術の人形が叩かれても、腹話術の人形は腹話術師のせいだと思う。責任が転嫁できる、それで自らの身を守っているってことなんだよ。一応は残存している語彙データから、形式通りのアウトプットをするばかりなんだよ。だから環境問題を嘆いても、政府や官僚に怒っても、謝罪をしても、みーんな空虚なんだ、でくの坊なんだ、人間味を感じないんだ。まるで今のお前はフィリップ・K・ディックの描くレプリカントだシミュラクラだ。モレクのパケットを垂れ流す機械人形だ。
 わかるか、俺はかつての古館の話術がすごいって思ってたんだぜ、尊敬していたんだぜ、だから今のお前は見るに堪えないんだ。だからせめてディックっぽいのなら、人工衛星で地球の周りを永遠に回り続けるはめになって、そこから地球に好きなことを語りかけるとか、そういうやつになってくれ。今のお前にはゴーストがないし、ゴーストのない人間が大勢の人に空虚なことを語り続けるのはいいことでないんだ。
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追記:自民が古舘コメント批判、テレ朝撮影禁止

 自民党によると、番組は3日の党役員連絡会前に出席者が談笑する映像を使用し、古舘伊知郎キャスターが「よく笑っていられますね。偉い政治家の人たちは」とコメントした。

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20080606-368815.html

 自民党の人たち、これ以上古館を叩かないで! 古館は自ら笑うことすら許さない、魂の監獄の中にいるの! 偉い古館は微笑みも忘れ、あらゆるものを見て嘆き悲しむ装置にすぎないの! いや、いっそのこと叩き壊してしまって……!