エアコン職人と私と私の部屋

 上のエアコン設置に、エアコン職人が部屋を訪れるわけだ。その前の日曜に一度来ていたので、その兄さんが来るのかと思ってたら、違う人が来た。一瞬、「何人?」と思うくらい真っ黒に日焼けした、日本人一人だ。眼鏡を掛けた職人風のおやじさんだ。これにはおどろいた。俺のアパートがどんなところにあると思ってるんだ。車を駐められる場所からどんだけ距離と高低差があると思う。いや、やはりその悪い予感は的中して、輸送時間にえらく時間がかかった。これは申し訳ない。まあ、それが仕事なのだからといえばそれまでなのだけれど、しかし、郵便屋さんだろうと宅配便屋さんだろうと、ともかく申し訳なくなってしまうのが俺のアパートだ。これには自信がある。
 ま、それはそうとして、やはり問題になるのは、室内作業だ。だって、ワンルームだぜ。作業中いったいどのくらいの距離感で、俺は何してればいいんだ。DVDでも見てるか? でも、ドリルの音とかするぜ。読書? うーん? いっそのこと、助手として手伝いたいくらい。たまに、「ちょっとこれに水いただけますか」とかペットボトルに入れたりとかあったけど、でもつきっきりなわけでもなく。いちいち「それはどんな作業ですか」みたいなやりとりをするのも、たぶんうざったいだろう。
 というわけで、俺としては、なんとなく背を向けて、声を掛けられたら応えられる態勢を取りつつ、ケータイをいじっていた。ケータイをいじって、会社にメールとかしていた(内容はとくに意味無し)。そうしていたらどうなったかといえば、眠くなった。さすがに寝るのも悪いでしょう。なんか、それで必死に起きてた。そんな感じ。
 で、作業が全部終わったら、一応用意しておいた、お茶のペットボトル出した。あと、車で取りに来られるところまで、台車を回しておきましょうか申し出たけど、丁寧にお断りされた。まあそういうところで。
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