北京五輪開幕

 感想から言うと、たいへん素晴らしかった。張芸謀チャン・イーモウ)にスタッフ、大量の出演者、お見事としか言いようがない。壮大な発想(最近読んだ本に、本来多民族・多文化でばらばらになるはずの中国が、ずっと巨大国家でありつづけるのは、他ならぬ漢字の力によるものだ、みてえなことが書いてあって、まさにそれを思わせる)を、中国ならではの人間の数でしっかり表現して見せてくれた。年々肥大化していくこの手のイベント芸術(?)において、一つの到達点と言っていいのではないか。
 ……と、絶賛の気持ちを抱きつつも、やっぱり先日書いたようなこと(はたしてこのまま中国五輪が成功してしまっていいものか)が、のどにひっかかった魚の小骨のごとく気になっていたのも確か。NHKの実況解説も、実に遠回りに、慎重に、言葉を選んで、できれば言いたくないのだろうが(今さら取材拒否とかされたら大変だろうから)、それでも言わざるをえない状況なのも本当なのであって。
 あと、やっぱり長すぎる。これは言っておこう。眠くなった。今さら整列して入場行進というわけにもいかないのだろうが、あのあたりなんとかならないか。
 などと考えながらいざ聖火点灯、誰だかよく知らないおっさんが、ものっそい高さにぎゅーんって吊されていくそのとき、一瞬聖火消えた……よね? それで、「これが天意か!」とか一人で盛り上がってみたものの、いや普通に火は戻った。まあ、この期におよんで失敗されても困るわけだが……。
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 それはそうと、昨夜一番気になったのは上記のいずれでもない。「あれ、ドミニカってドミニカ共和国ドミニカ国と二つあるんだ」って発見でもない(オリンピックごとに発見しているかもしれない)。選手入場のときに歓迎の踊りをしていた小姐たちである。

 この写真に写ってる、白のワンピースに白のブーツのお姉ちゃんたち。出てきたときから、なんか今までの演出とは打って変わって妙にダサ衣装で、しかも踊りがだらだらしてる……などと思ったものの、あの長時間の選手入場時間の間、ずっと踊り続けるのだから大変だ。はきはき踊っていたら、体力がもたない。いや、だらだら踊っていてももつものではない……!
 と、思いはじめてから、入場選手よりも小姐たちが気になり始めてしまった。けっしていやらしい目でというわけではないということもなく。いや、やっぱ脚とか長いよな。しかし、こんだけ似たようなスタイルの人間を集めて仕切りロープ代わりにしてしまうあたり、人口の桁が違うよな、とか(各国のプラカード持ってた女の人も、みんな同じように見えた)。
 というわけで、昨日の表彰台は以下の通り。
金:大量の小姐
銀:小姐を激写していたどっかの国のおっさん
銅:張芸謀