クロスバイクに乗ってみて〜運転と交通〜

○力を入れて初めて乗った感想を書いたのに、うっかり紛失したので箇条書きにする。

運転

とてもまっすぐ進む。
折りたたみ自転車との一番の違いは、直進性とでも呼ぶべきものだった。「まっすぐ!」という感じ。まっすぐなレールの上を走っている感じ。これならば、手放しでも漕げるわけだわ(怖いからようやらんが)。
大きいのに軽い。
軽さについては、それなりに軽い折りたたみ自転車に乗っていたので、その辺はあんまり変わらないが、やはりでかいのに軽いというのはすごい。そう思った。
あんがい簡単に坂道を登れる。
「この坂は無理だ!」という坂を、あんがい簡単に登り切れた。息は切れるけど、足が持たないということはなかった。ギアを軽くしようとして、逆に重くしてしまったりしても、それで一気に乗り切れた。これにはおどろいた。でも、途中で挫折した坂道もある。いつか克服する。
それなりにスピードは出ているようだが。
……はいまいち分からん。原付に乗っていたこともあって、けっこうな坂道を下っても、「二輪でこれは怖い!」という思いはない。というか、速度をあんまり感じないということは、それだけ安定しているということだろうか。それとも、折りたたみ自転車の方が速かったりして(それはない)。
ギアがたくさんあって困る。
3*8の24段変速。使い切れんし、使い切ってはいけないらしい。とりあえず前を「2」に固定して、こわごわとチェンジしている。軽い方は軽すぎて、ちょっとどうしていいかわからない。前を一番軽くして、さらに後ろを軽くしたらどうなるのか、想像がつかない。
ブレーキの効き具合はよい。
折りたたみの方のブレーキがひどいことになっていたこともあって、これの効き具合というか、効かせ具合というか、なんというかいい感じだ。
震動はけっこう強く感じる。
さすがパンパンの空気圧だけあって、ガタガタガタっと路面の震動を感じる。長時間乗ってるとどうかわからんが、この感じは嫌いじゃない。空気入れ立ての自転車、という感じがして、固いタイヤを想像してはうっとりする。やはりフロントサス付きにしなくてよかった、と今のところは勝手に思っている。
乗り降りに苦戦する。
赤信号で気づいてみると、つま先立ちでふんばっていることがある。足を置く場がない場合は、ケツを前にスライドさせて待機するのが正解なんだが、これはなかなか身につかない。また、降りるときだ。原付もDAHON METROもトップチューブ部分がないわけで、思わず前から降りようとして足をぶつける。降りるときは、颯爽と後ろ足を蹴り上げねばならんのだ、なだぎ武のデュランのように!

交通

原付のつもりで乗る。
オール車道での自転車。正直、びびっていた。しかし、「これは原付と一緒だ」と思うことにして、いくぶん楽になった。すなわち、「自転車だからどうしよう?」ではなくといちいち考えず、原付と同じように振る舞えばいいということだ。スピードに対する恐怖もそうだが、このあたりは原付経験が役に立った。それに、変に自転車ならではのショートカット的なことをしない方が、なにかあったときに過失割合的な意味で得をしそうだ。もっとも、今はまったく余裕がないので、完全ルール遵守するほかない、とも言える。何事も恐怖から入るのは悪くない。
車の気持ちもバイクの気持ちもわかるので。
原付に乗っていたし、自動車にもちょくちょくは乗っていた。なので、それぞれの弱みもわかる。自転車はぶつかってみれば弱者にほかならないが、社会的存在としては弱者ゆえに強いところもある。引っかけたり、巻き込んだりしたとき、どっちに過失が大きくなる? ということだ。そこにつけこんで乱暴運転することはないが、変にコソコソ端の端(白線より内側の内ラチいっぱい)を走るより、キープレフト原則のところを堂々と走る。そうすることにした。俺は俺でここちゃんと走ってるから、さくっと避けてくれよ、ということだ。目に付いた方がお互い幸せだ。
ヘルメットのメリットを感じる。
これは疋田智さんの著書(いつか感想を書く)にも書いてあったことだが、物理的な安全性(が、どこまでのもんか知らないが)と同時に、交通者としての存在感が変わってくるのではないかと、そう思える。「こっちはズブの素人のくせに、こんな恥ずかしいもん被って、うしろピカピカさせてるんだぜ。スピードは遅いが、意識が高いんだよ、意識がよ。巻き込んだらオメーのせいになっちゃうかもよー? 慰謝料くれよー?」という低い意識だ。いや、それは言い過ぎにしても、俺が原付や自動車だったら、ヘルメット付きの自転車は警戒すると思う。色んな意味で。警戒されるに越したことはない。
違法駐車と夜道のよさとこわさ。
二車線、三車線の左端車線。違法駐車もしくは合法停車(?)がずらりと並んでいることが多い。これはたしかに怖い。車のかげから何か飛び出してくるかもしれないし、ドアがいきなり開くかもしれない。しかし、一方で多くの車がその車線を避けるので、横や後ろのプレッシャーはいくらか楽という気がしないでもない。また、夜道。夜道が危険なのは言うのをまたないが、逆にこっちがしっかりピカピカ光ってる分には、昼よりも目立っていいんじゃねえの? などと思わないこともない。交通量も少ない(道もある)し。原付や車に乗り始めたときも、なんかそんな風に思ったことを思い出した。
まだまだわからないことだらけ。
片側三車線の道をキープレフトで走っていて交差点。左折レーンに入ってしまった場合、正面の信号が左折のみ青になったらどうするの? ものの本によると直進から二段階右折が正しいらしいが、これには戸惑う。横断歩道に自転車ゾーンがある場合、歩行者信号青に合わせて渡るべきなのか、自転車ゾーンがなければ、いったん降りて歩行者として押して渡ればいいのか、とか。このあたりは経験を積むしかないだろうし(ちなみに原付で走っていたのは鎌倉の田舎なので、こんな広い道よく知らないんだ)、自転車乗りの人の挙動などを参考にしていこう(……と思ったが、今朝見かけたキャノンデールの人は、あまりにスイスイ信号をパスしていったのでとてもじゃないが真似できないと思った)。

 ……というわけで、「とりあえず今がいちばん楽しいんじゃねえの?」という幸福感だか悲観だかわからないものを抱きつつ、行き帰り無駄に走り回っているのでした。おしまい。

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