山本直樹の『レッド』第3巻を読む

レッド(3) (KCデラックス)

レッド(3) (KCデラックス)

 わりかし何度も、何度も読み返す漫画ってのがあって、『レッド』の1と2がそんな感じなんだけれども、3はちょっとだけそういう感じにならないかもしれないというような気もした。少し期待ばかりが先走ったせいかもしれないし、紙質がちょっと変わったせいかもしれないが、まあなにより内容的な面だろう。まあ、要するに、それほど見どころとなるような、でかい事件は起こらない、ちょうどそんな感じのあたりを取り扱った巻だからだ。なんかもうちょい、これというエピソード入れてもいいんじゃないかという、そういう感じになるんだ。だけれども、それは、その分、そんだけきちんとというか、入念にこれを描いていく、そんなところのあらわれじゃん。というわけで、むしろこの3によって4、それ以降のどれだけのえぐさというか、強度というか、そこのところによりいっそう期待できちゃうって言えるように思うんだ。まあ、とりあえず、一読、二読したあたりの印象はこんなところであって、また何度も読めば印象も変わるかもしらん。しかし、最初の感想としては、前触れというか、胎動というか、それが漂いはじめた、そんな不穏ななにかが、淡々と描かれていたと、そう思ったんだ。

関連______________________

追記______________________
 やっぱり三往復くらい読み返したから、おもしれーわ、『レッド』。