サラブレッドの走る住宅街、浦和競馬場

 11月23日、祝日。浦和競馬場

 アイフォーンのマップを頼りに、住宅街らしい住宅街をうろうろ。それも楽しみではある。おそらくは競馬場の外壁にぶち当たるつもりで進んださきに、駐車場があり、正門があった。面食らう。まったく開ける予感のない道をきたつもりだった。

 「あのね、おたくに言ってもしょうがないかもしれないけど! 取り決めでね! 競馬場が使っていい範囲はこの石のところまでなの! あんたに言ってもしょうがないけど!」
 高そうな犬をノーリードでうろうろさせながら、はげ上がった中年男が駐車場の警備員をどやしつける、駐車場の細かいラインを指さす。警備員はなんと答えていいかわからないようで、ただあやまる。
 正門に向かう途中で見た光景、浦和競馬との初接触は、以上のようなものであった。そりゃナイター開催できないわけだわ。




 浦和競馬場の印象は「小さい」というものだった。自分が訪れた公営競技場は両手で数えられる程度だが、そのなかで一番小さかった。花月園競輪より小さいと感じた。

 有人券売所の「穴」も、ハムスターの通り道くらいのサイズだった。上の方も覆われていて、記入ミスを指摘されたときも、なにを言ってるのかよくわからなかった。


 建物と建物の隙間からコースが見える、競馬場で愛すべき景色。


 なんといっても、戸崎圭太だな。戸崎が主役だ。もう、この距離で見る機会は少なくなるだろうという確信すらある。




 騎手も近いしな。




 この日は雨上がりの一日、気温は高く、空の色が奇妙だった。空の写真ばかりだ。





 住宅街の中を逃げる戸崎。浦和のレースはといえば、後ろが住宅街なのがおもしろい。奇妙だ。そのへんの路地を馬群が駆け抜けていくように見える。






 休日なのに重賞ではない。メーンはA2級くらいで、かつて重賞勝ちのあるノーステイオーが勝った。楽勝だった。俺の馬券も楽勝だった。大儲けというわけではないが、いい感じだった。競馬は12頭立てくらいが一番面白いんじゃないかと思った。







 競馬が終わった。空も暗くなってきた。俺は南浦和の駅まで歩いて、90分くらい京浜東北線に乗って帰宅した。浦和競馬までは、電車で一本。


 埼玉あたりの印象というと、平らで、空がぱっかーんと開けている感じだ。鎌倉育ち、横浜在住の俺からすると、そう見える。
 さらに北の方にも、平野が広がっているのだろうが、もう、北関東で競馬はやっていないらしい。

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 カメラはα550、レンズはアップについてSIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO、遠景についてミノルタAF24−50/F4。トリミング、補正いっさいなし、サムネイルははてなフォトライフ任せで、俺は気に入らないが、面倒なのでそのまま投げ出す。そこまで気にするほどのカメラでもレンズでも写真でもないだろうが。後半で色がわざとらしいのは、クリエイティブスタイルをビビッドに設定したから。

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