TBSのDynamite!!も、2画面にしたりしてチェック。この試合はちゃんと見て、快哉を叫んだ。1Rの青木の逃げまわり戦略から、2Rまさかの結末までなにもかも出来すぎ。視聴者目線で総合格闘技について専門家に質問してくれる律儀な好青年の魔裟斗さんまで爆発するさまが楽しい。この瞬間については、下火とかいう話もある格闘技人気も、まだ神に見放されていないのか、と思う。
けど、あとはなんかひどかったといったら悪いけど、大晦日の番組としてはちょっとという。桜庭和志とか、耳とれちゃうしって、あのダイジェストはドキッとしたな。つーか、なにか胸ときめくような対戦とかなかったな。総合格闘技というものの熱いところは、みんな地上波とか日本を離れ、海の向こうに行ってしまったのだろうか。いや、所英男対渡辺一久とかおもしろかったけどさ。
で、メーンの石井慧とジェロム・レ・バンナもな。なんというか、石井は柔道時代とまったく同じことをしているのだろう、ルール内のすべてを活かして、競技の勝利にこだわる、と。このあたりは、プロなんだから、魅せろよ、みたいな気もするけれども、それが彼の根本的なところなのだろう、たぶん。とすると、「才能はないけど努力の虫」というスタイルで、一歩一歩この総合の世界で成長していくという段階なんだろう。結果、最強となっても、やはりかなり塩分高めの試合になるのかもしれないが。というか、この段階の、強敵相手にもかならず勝つというような「つまらんけど最強」でもない、そんな段階の石井がメーン(いや、メーンは高谷の試合なんだけど、テレビ的な目玉として)なのは、なんというか、やはり不安だ。