待て! 仕事に取りかかる前にするべきことがある!

 たとえば、原っぱの大きな石を街まで運んでくれ、という仕事があるとすると、いきなりがんばって押し始めたりするべきでなく、ストレッチをしたほうがいいというか、それ以前にまず、手押しする必要があるのか、頼めばトラックを回してもらえないのか、運送業者を呼んだらいけないのか、いや、そもそもそれは誰の注文なのか、石を街でなんのために使うのか、石のかわりに街のホームセンターで代替品を買えたりはしないのか、Amazonで注文した方が早くて安いのではないか、そもそも石の代用品も必要なく、運用の工夫でどうにかできないのか、こないだ『ためしてガッテン』でやってなかったのか、むしろ、石は使わない方がいい、リスクが高すぎるし、失うものが大きいということはないのか、その考え方は古すぎないか、あるいは新しすぎて決断するには早すぎないか、むしろ石より意志の方がこれからのビジネスには必要ではないか、石を運ぶロボットを開発するのを先にするべきではないのか、むしろお前が石の近くにきたらいいんじゃないのか、石の図面や写真ではだめなのか、一部を削ったサンプルではいけないのか、地球を構成する物質としては似たようなものだから一握りの砂利ではいけないのか……。
 その上で、万策尽き果ててもうどうにも屁理屈が湧いてこない代案がない、となって、それでそのときお腹が空いてなくて、雨も降ってなくて、夜でもないときだけに、まずストレッチ、いや、どんなストレッチをしたらいいのか、はてなブックマークで100users以上の記事を探して……、って、仕事ってのはそのくらいどうにか「やらないですむか、楽できるか」って考えた上で、それでも結局やらないで帰る方向でやっていくべきだと思うのだけれども、どうだろうかこの労働哲学? 俺がワタミの社長だったら、三日で潰してやるぜ、一たす一は三日だ! かかってこい!