それなりにクロスバイクなんぞ乗っていた（か？）人間がロードバイクを買ったのだから、本来なら嬉々としていろいろのことを書くようなものと思うが、完全にプリントアウトな精神状態で買ったりしたために、わりと触れたくない存在になっている。おまけに、たまに乗ってみれば犬に死なれたりするし。とはいえ、このまま眠らせておくわけにもいかん気もするので、とりあえず江戸川サイクリングロードでも北上して帰ってきたりしようか、などと思っていたのだが、寝過ごしたりして。
……いや、行く気なかったな。わざと夜更かしして寝過ごした。目覚ましもセットしてなかった。ともかく、サイクリングに対してすごいネガティブな想像しか浮かばない。もう何ヶ月も（一年以上？）遠出とかしていないのもあるけれども、まあともかく、不安で不安で。まあ、そういう病気なのだから当たり前なのだけれども、あらゆるネガティブな想念が頭をよぎってよぎって、脚のムダ毛剃ってる段階になっても行くのやめようっていう理由探してんの。それで、具体的にどういう不安かといえば、「パンクしてうまく直せなかったらどうしよう」とか「どうにもならないトラブルになったらどうしよう」とか「盗まれたらどうしよう」とか、まあわりと困るっちゃ困るけれども、どうでもいいといえばどうでもいいような話であって、そんなんが頭の中ぐるぐる駆け巡って、その距離は軽く200kmは越す。ただ、絶対にないのは「事故にあったら怖い」というやつで、これは希死念慮についてポジティブ。レッツ・ビギン。
というわけで、昼過ぎに自分なりのフル装備して（あまりに久しぶりだったのですごい時間かかった）、適当に北上するか南下するか決めかねつつ漕ぎだした。結果として、最初の丁字路で右折して南へ。走水の方へ。
それで、あまりにもしょうもないのでカメラやレンズの話をするくらい嫌なのだけれど、自転車の話なんだが、やっぱりあれだな、軽いのは正義だな。その上、俺の体も軽くなっている。自分では意識してなかった拒食症レベルのダイエット（食事制限とジョギング）をやめても、はっきり言って体重が戻らない。いや、少し戻した。医者からあんまり乗るな言われてるから毎日乗ってないけど、最軽量時52kgあたりから54kgくらいにはなっている。しかし、ジョギングは完全にやめて、自転車の遠乗りもせず、落ち着いたら落ち着くということだろうか。まあ、ともかく、身軽さというのはあって、悪くないし、同じ労力でもスピード出てるなってところはあったりした。はっきり言って楽だわ。
しかし、いきなりクロスバイクの1日最長距離行ってみようみたいなのは間違いだな。一つにはブランクがあって多分脚がもたない。これはわかる。ただ、予想外に堪えたのが股間の玉袋あたりの話であって、Wiggle先生からついてきたまんまのサドル使ってんだけど、これが合わないのか、セッティングが悪いのか、ともかくなんか痛くなってきたりして。それともやはり、ジャイアントエスケープR2につけっぱなし（これの処遇についてもどうしたものか）のタイオガスパイダーツインテールさんを持ってきた方がいいのかなどと。ただ、なんというか、痩せた分、尻の肉とかいろんなコンディション違ってきてて、やはりそのあたり試しつつやろ、みたいなところはあるか。しかし、どうせなら白いのがいいな、ツインテール。
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まあ、しかしシビアな乗り物なのかしらんが、またがって漕げばすすんでしまうし、チャリはチャリにすぎないというか。いや、そうは言いましても、ロードバイク買うにあたって、やっぱり身長とか股下とか、俺みたいなチビには選択肢少ないし、その結果がこれだという。いや、いくつかあったんだけど、色使いが白黒くらいの、一番地味なのがこれで、元来派手好きではあるものの、レーシングレプリカみたいなのには恥ずかしくて乗れないみたいなのもあって。でも、あれじゃん、やっぱりフルカーボンいいじゃんとか、渋いクロモリのホリゾンタルフレームだと股下足りねえよ、とか、迷ったというか、iPhoneに有料アプリ入れて計算したりして検討した結果なんだよ。でもって、まあサドルくらいで少しアレな感じていどでおさまってるんだから、それほど間違っちゃいなかったかもしれない。いや、買ったこと自体は間違いだったけれども、こんなに乗らないのでは。
まあそんで、この日って、昨日か一昨日だかは、南下して横須賀あたりでUターンみたいな感じで。行きの道はアホみたいに空いてる区間もあったけど、八景島あたりでクソ渋滞に巻き込まれて難儀したのと、あれだ、京急バスの自転車に対する寄せ方は横浜の市バスとかに比べてぬるくないね。こっちがビビってふらついたらしたらどうすんだ？ みたいなところを考えてねえだろみたいな潔さがある。いや、単にスピードが速いだけか……？
どうでもいいか。64.36km走って水分はヘルシアウォーターとはちみつレモン500mlずつ、だが、走り終えて最後半分以上残していた。食べたのはミニストップの手作りおにぎり、シャケと鶏そぼろ、小倉マーガリンのコッペパン。燃費は悪くないほうか？ 服は半袖アンダーウェア（ぴっちりするやつ）にユニクロの無地ジャージ。下はパッドつきパンツにオークリーの7分丈くらいのサイクリング用……ズボン？ 基本的に問題なし。ただ、日陰で飯食ってると少し寒かったので、ウェアはもう一枚長袖のアンダーかウィンドブレーカーを用意しておいてもよかったか。わりと日は照っていたが、日焼けはしていなかった。途中、野島あたりで道の脇に見えた公衆トイレで小一回。コンビニでは借りなかったが、このあたりは一応借りておく警戒心がなくなっていてよくない。そんなところか。正直、これから自転車に乗ってちょくちょくどっか行くかどうかわからん。行くとすれば次のリハビリだか試走だかは日本橋か小田原まで行って帰って100km。とりあえず最終的にクロスで達成しなかった200kmを目指すか。いや、200kmはクロスバイクでほとんど行ってたようなもんだから、250kmは行かないとしょうもないか。けどなんだ、あのどっかの山で遭難した雨がっぱ老人群みたいに、死ぬところまで行く気がないところが、なんか自転車漕いでても「なんで漕いでるの？」みたいな感じだし、行く前にいちいちすごい量の不安と接する（ずっとなんでもそうだったが）のも面倒なような気にもなっている。わりと自分の強迫性と怠惰の関係がわからん。いや、200km、300km乗らなければならない。日本一周しなくてはならない。でも、するだけの能力がない、というギャップが心の病を引き起こしてるのか、あるいは引き起こされてそうなのか。
つーか、なんというのだろうか、人間の行動力みたいなものはわりと固定されていて、俺のそれは相当に狭い。だって、引っ越すにしたって前のアパートからゴミ捨て場に行く途中のアパート、だぜ。引っ越しは徒歩と台車と自転車で済ましたし。なんというのだろう、輪行とかしないのも、「自転車バラして詰めるのに失敗したらどうしよう？」、「組み立てるのに失敗したらどうしよう？」、「うまく電車に乗れなかったらどうしよう？」とか、そういう不安想念も強烈だけど、そんなに遠くに行きたくないみたいな。遠くは怖いからな。つーか、一日中、アパートの前の植え込み俺が勝手に植えたハーブとジギタリスとシャクヤクと挿し木したアジサイを悪い虫が食わないか見張ったりして過ごしていたいような（ダンゴムシとかの織りなすすばらしい小世界！）俺が、ロードバイクとか買ってんなって話だよ。だいたい体育苦手だったし。もうちょっといろいろ考えなおそう。いろいろを、だ。
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いや、マジ今年三回しか乗ってねーや。ちっこいのには通勤で毎日乗ってるけど。
