有馬記念はカレンミロティックから

今年の有馬記念はカレンミロティックから買うつもりだ。今のところは。今のところ? 金鯱賞でいくらか稼がせてもらったときから? まあいい、カレンミロティックで勝負になると思いたい。今の中山の馬場が逃げ馬に厳しいものだとしても。ゴールドシップ向きの馬場かもしれないと思っても。

言うまでもないが、おれはタップダンスシチーの影を追っている。ふと、タップダンスシチーで勝負になるんじゃないのか? と天啓のようななにかがあった、あの有馬記念を。おれは13番人気の馬を本命にした。勝った馬のことなんて覚えちゃいない。カレンミロティックはそれよりずっと人気するだろうが。オルフェーヴルの引退興行ムードを無視してしまえ。おまえの親父はハーツクライだ。

むろん、負ける予感が大きい。直前になって別の馬に鞍替えするかもしれない。ただ、なんとなく、カレンミロティック。鞍上は戸崎圭太。おれが競馬をはじめたころ、まだ戸崎は南関のあんちゃんだった。内田博幸ですらトップではなかった。そのころのおれが、有馬記念で戸崎の乗る馬を買う、というのは想像もできないことだ。競馬もなにもどうなるかわかったものじゃない。

やはり、負ける予感が大きい。順当な勝ち馬に、2、3着が荒れる感じ。その中にカレンミロティックが入る感じがしない。しかし、この「感じ」はなんだろう。ジャパンカップで、「低評価の外国馬だが1頭くらいは掲示板に載りそう」という「感じ」とか。経験、既視感、精神異常による妄想。何十万人もの妄想がオッズを形作る。現実は結果となって明白なものになる。レースが終わっても妄想の競馬が続いている。自分の本命馬がトップでゴール板を駆け抜けるまで、その直線に終わりはない。