スキッピン・スノー・ガール

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今朝の話だ。雪は降り始めていたが、まだ積もる気配はなかった。おれは徒歩で会社に向かった。

道中、丁字路での話だ。おれが丁の字の下から上へ行くところ、丁の字の一点目の方から一画描くように少女が駆け抜けた。小学校の低学年くらいかと思う。背負ったバッグから公立小学校の子ではないと思う。まだ積もってないが、滑りはしないのか、いずれにせよ元気なことだと思う。と、同時に、傘をさして雪中走、すこし不自然なようにも見えた。

さておれが丁字路を右折してからの話だ。前方に少女が雪の中を走る。おれは歩く。ん? 少女がおれから逃げているように見えないか? しかもその子、たまに後ろを振り返る。状況がよくわからない。しかし、横浜市中区の会社員逮捕。部屋からはアニメのポスターなど多数。変態大人。人生をかけている。流れよ我が涙……。おれは雪のように寒い心になった。とっとといなくなってくれと思った。後ろを振り返っても、だれもいない。

次に左折してからの話だ。今度は少女が立ち止まってこちらを向いている。これなら問題ない。「おまわりさん、この人です!」とでも言われない限り。おれは黙って少女の横を通り過ぎ安堵する。

トンネルの中での話だ。おれが傘をたたみずったら歩いて行くと、ヒュンッと追い抜いていくものがいる。また、先の少女が走って、追い抜いたのだ。おまわりさん、おれですか? これはなんですか?

とりとめのない想像をしながら歩く。トンネルを抜ける。ちょっと先に、少女が傘もささず走っているのが……いや、スキップしているのが見えた。雪中、傘もささずスキップする少女がいた。どこまでもどこまでもスキップしていけ。おれはそう思った。どこまでもスキップするがいいさ、雪の中をどこまでもリズミカルに、駆け抜けて、金メダリストにでもなっちまいなよ。