ブリキの太鼓 ディレクターズカット ブルーレイ [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: Blu-ray
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
とはいえ、おれは『ブリキの太鼓』を読了した覚えがない。読んだのはいつか。中学か高校のころ。途中で読むのをやめてしまったような気がする。そして、おれがひどく印象に残っているのが馬とウナギだ。漫画『力王』でもウナギの印象的なシーンがあるが、ギュンター・グラスの方が強かった。
というわけで、おれは映画版『ウナギの太鼓……いや、違う、『ブリキの太鼓』を観ることにした。いくつかヘヴィな読書をしているので、そこに『ブリキの太鼓』を加えるのは厳しいと思ったからだ。とはいえ、原作はそれなりに長かったはず、ウナギのシーンは映像化されているのだろうか……。
されていた! しかもかなりグロテスクだ! 作品全体がどこかグロテスクなんだけれども、その中でもかなりきている感じだ! うわ、今の日本人がこれ見たら、ウナギの消費量も減るんじゃねえの……。
とまあ、ウナギ走ってしまったが(どんな走りだ?)、映画としてもさすがになにか賞をとっただけあって(おれはよく知らん分野については権威主義なので)、長丁場飽きずに見られた。舞台は主に二次大戦のダンチヒ。自由都市ダンチヒ。三歳で体の成長を止めてしまった少年(役を演じたのも小人症の人らしい)。いつもブリキの太鼓を叩いている。叫び声で遠方のガラスを割ったりできる。母親は二人の男から愛され、どちらが彼の父かはわからない。時代はナチスが台頭してくるころ。母を愛する男の一人はダンチヒのポーランド人。1939年、ダンチヒで戦火の火蓋が切って落とされる……。原作は(まったく覚えていないが)、精神病院での主人公の回顧のような形をとっているらしい。その構造はばっさりカットされている。それでも長い。さらにいえば、おれはディレクターズ・カット版を見ていないので、それでも20分短いようだ。でも、その中に詰め込まれたエロ、グロ、暴力、愛や死の詰め込まれ具合ってのは見ものだった。なんだろうか、たとえばジョン・アーヴィング原作の映画を観たあとに近いだろうか? 原作のwikipedia:ギュンター・グラスが長年武装親衛隊に所属していたことを隠していたことなどを含め、一つ「子供の目」であることを選んだ主人公の目から、その世界を見てみりゃいかがでしょう。きっとそこには、醜いわれわれの世界に通じるものがあるんだ、きっと。
>゜))彡>゜))彡>゜))彡
- 作者: ギュンター・グラス,池内紀
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/05/14
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (23件) を見る