上坂すみれのセカンド・アルバムである。これはいいぞ。正直いって、ファーストとは相当に差がある。その差、5馬身。おれの中ではそのくらいの差がある。上坂すみれワールドとでも言うべき世界があって、その中で多彩な音楽要素が入り混じっている。聴いていて飽きることがない。「すみれコード」を聴いていて飽きることがない。おれは20世紀の子だが、上坂すみれの考える20世紀とは違うだろう。ありえない20世紀。それになぜか逆襲されてしまう。アイドル歌謡？ どう分類していいかわからない。そんななかに「Inner Urge」が入っていて違和感もない。ラジオなど聴いていても、「この人は本当に引き出しが多く頭がいいのだろうな」と思ってしまうが、音楽という分野でも同じなのだ。おれはオタクというにも、サブカルというにも足りない人間だし、革命的ブロードウェイ主義者と名乗れるものではないが、まったく参ってしまう。ともかく、このアルバムはいいぞ。以上だ。
