じいさん、面白かったぜ! クリント・イーストウッド『運び屋』を見る

 

運び屋(字幕版)

運び屋(字幕版)

 

 

運び屋 (映画) - Wikipedia

ヘメロカリスの園芸家だった90歳のじいさんが、インターネットの流行に負けて廃業。そこへ、麻薬の運び屋(Mule……ラバ。俗語で麻薬の運び屋、運び屋に使われる素人、など)にならないかと声をかけられる。90歳の退役軍人で、前科、交通違反歴なし……、そして実話に基づいている。

で、この映画、面白いんだよ。なんかこう、ストレートに「面白い映画だったな」と思ったんだ。なんかそのあたり、いろいろ考えさせる系の映画だった気がする『グラン・トリノ』なんかとは違うんだよな。もちろん、テーマとして仕事と家族とか、そんなんあるんだけどな。

でもまあ、なんつーか、アメリカのじいさんの「俺TUEEE」か、あるいは「転生してみたら麻薬の運び人になって大金をゲットして家族とも仲直りできた件」(転生してないけど)的な、なんというか、そういう単純な夢物語のようでもある。おれはあまり使わない比喩的表現であえて言うなれば、「ポルノ」かもしれない。

が、それゆえに面白いのだ。90歳のじいさんと、孫ほども年齢の離れたメキシカン・ギャングとのやり取りやら、なんやら。一方で、この大物運び屋を追い詰めようとする捜査官たちもおり、サスペンスとしても、まあなんか見どころがある。もちろん、ギャングが絡んでるんだ、牧歌的な話で済むはずもない。そこんところのバランスが、いいんだな。もちろん、イーストウッドはリアリティを好むらしいので、本作でもいい加減なところは見られなかった……すくなくとも日本から出たこともない、英語も話せないおれには。ちゃんと、しっかりしている。

そんで、やっぱりクリント・イーストウッドの存在感がいいんだな。いや、役者なのだから演技がいいといったほうがいいのかな。どっかあっけらかんとしていて、派手好きで、マフィアのボスのパーティーでもノリノリのじいさん。なんかやばい運び屋やってるのに、それについての罪悪感はほとんど感じさせねえの。運び屋やった金で買った黒いリンカーンのでかいピックアップトラックでハイウェイを走りながら、ラジオに合わせて歌っちゃうのな。

まあしかし、でも、なんといっても、主要客層は、ギャングに脅されたイーストウッドが「おれは戦争に行ったんだ。おまえなんかこわくないぞ」というセリフに拍手喝采しそうな、退役軍人のアメリカ白人のじいさんかもな、とは思う。ひょっとして、妻や娘の立場で見たらおもしろくないかもしれない。

でもまあ、おれはそうではなかった。そんなだれか他人の夢みたいなのに乗ってみるのも、ある作品の見方としてはありなんじゃねえかな、うん。

 

 

ヘメロカリス:ダブルレッドロイヤル5号ポット

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グラン・トリノ (字幕版)
 

 ……『グラン・トリノ』好きなんだけど、ブログには感想を書いてないみたい。