あとは、くるりのライブで「野球」を聴くだけだ。それは決して夢ではない。なぜなら、6/10のZepp Hanedaのチケットを取っているからだ。6月にこのコロナ禍の状況がどうなっているかわからない。わからないが、チケットは取れた。20歳年上の女と一緒に参戦する。このエントリーはたぶん読まれないだろうが、一発目にでも「野球」を演ってもらいたいと思う。
おれは、5/1にこう書いた。チケットを実際にとったのは女である。
……え、いきなり「女」てなんなん？ という人は下の日記でも読んでください。
まあともかく、6月になったらよくなっているかもしれないね、まあ、様子見てそのとき決めましょう。ということだった。
6月、緊急事態宣言の、その延長、再延長？ もうよくわからなくなっている。東京の新規感染者は日々減っているようだが、まだまだワクチンもみんなに行き渡っているわけではない。「Tokyo OP」の開催だってどうなることか、というレベルだ。
そんな中で、ライブ。Zepp Hanedaはどんなところなのか。おれはよく知らない。どのくらいの密になるのだろうか、座席があるのだろうか、まったくわからぬ。
が、コロナに感染する確率はかなり低いだろうと思った。大きなライブハウスで、対策もなされているし、客も半分しか入れない。おれは近場の自転車通勤なので実際のところは知らないが、通勤電車もそれなりに混んでいるのだろう。それでも新規感染者は減ってきているのだ……。
が。
「母に『ライブには行かないで』と言われたんだけど……」と女。
「じゃあ、やめましょう」とおれ。
即断だった。おれの女はおれより年上だし、その女のお母さんとなるともっとすごく年上だ。まだワクチンを一回しか打っていないという、そんな状況の人に直接言われたら、そんなの結論は決まっている。
もし、だ。もし万が一、何百万が一あったらどうするのだ。それはもうずっと後悔するだろう。そしてもう、二度とくるりの音楽を心から楽しめることもなくなるだろう。二度とライブなどに行く気になれなくなるかもしれない。
人生はたぶん一回しかないけれど、くるりのライブはまだまだ何度でもある、たぶん。
女は少し迷っているようでもあった。もうお金も払ってしまったし、感染への危険性についての考えはおれと似たような感じっぽい。おれだって口には出したが迷いはあった。だが、万が一がある。
「また今度、行けばいいじゃないっすか」。
というわけで、おれは明日、くるりのライブには行かない。
「行けない」とは言わない。「行けない」ではなにかに強いられたようでおもしろくない。おれも女も考えて、そちらを選んだのだ。ウイルスなんぞに人間の意思が負けてどうする。積極的に「行かない」のだ。とても残念で悲しいけれど「行かない」。
とはいえ、迷いあるなかで行って、心から楽しめるか？ 行って帰って「感染したのではないか？」何週間か怯えるのか？ それも嫌だな、というのが正直なところだ。いずれにせよ、「行かない」ことを選んだのだ。
が。
くるりには申し訳ない。スタッフにも申し訳ない。せっかく用意してくれた席が空席。ただでさえキャパの半分しかお客さんが入らないのに、さらに空席ができてしまう。なんか、悪いな、と思ってしまう。あと、チケットが買えなかったファンにも悪い。
というわけで、女はチケット売買サイトのようなところで売れないか、試してみるといった。こういう事情でチケットを転売するのはいいのだろうか。べつに高く売るつもりはない。それどころか値引いて出す気のようだった。それならいいのだろうか、よくわからない。
まったく、よくわからないことばかりだ。おれだってこんなこと書きとうなかった。ただ、2021の初夏、この日本列島にはCOVID-19というウイルスがそれなりにはびこっていて、一市民にこのような決断を迫ってきた。悔しい話ではある。
だが、病で親愛な人を失うようなもっと悲しい話や、オリンピックという世界的なイベントが行われるかどうかという政治的に大きな話の一方で、こんな小さな話があったことを、こうやって書き残しておきたい。この世界の片隅というやつだ。
そして、明日、くるりには思う存分やってもらいたいし、お客さんも拍手でそれに応え、大いに盛り上がってほしい。おれと女の分も、頼む。かっ飛ばせ、みんな！
そしたまたいつか、ライブハウスで会おうぜ。
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くるりライブツアー2021東京公演を6/19に配信決定！合わせて「野球」リリックビデオ公開！ : くるり / QURULI
配信で我慢するのが今どきのスタイルか？
しかし、「野球」リリックビデオには驚いたな。
