※ 病気や処方薬についての記述がありますが、筆者は単なる患者に過ぎないので、内容に関してはあなたのお医者様にお聞き下さい。
「どうですか?」
「月半ばからジプレキサとラツーダの併用して、いま、ラツーダ一本なんですけれど、えーと、悪くないです。朝、けっしてスッキリ目覚めるわけではないんですけど、なんか眠れないというか、眠りたくないという感じになって、ベッドに戻ろうって気が起こらなくて、そのままコーヒーの一杯でも飲んだら、日中起きてられる感じです」
「やっぱりそうでしょう、あなた、ラツーダ向きだと思ってたんだ」
「ただ、中途……覚醒ですか、朝の四時とか五時にいったん目が覚めることが多いです」
「部屋は明るいですか?」
「やや」
「だったら、アイマスク試してみるのもいいですよ。すすめるというほどでもないですけど」
……ということで、ラツーダ(ルラシドン)に薬を変えたところ、朝に強くなった。けっしてスッキリ目覚めるわけではない。ただ、なんというか、不眠症の夜のように、眠りたいような気持ちがあるのに眠れない、という状態になる。そこにコーヒー一杯でかなりスッキリする。まだ服用期間は短いが、抑うつで動けないことはないし、逆に軽躁状態で頭がおかしくなることもない。
ただ、ひとつ気になることがあった。
「あ、ただ、前回薬局で言われたんですけど、食後に高血糖になるって。どうなんですかね?」
「ええ? 高血糖? そんなのジプレキサの方が危ないですよ。知ってるでしょ。なんでそんなこと言ったのかな? わかんないなー。ちょっと問い詰めたいくらいですよ」
と、なにやらガサゴソとパンフレット類のようなものを漁って、一枚の紙を見せてくれた。ラツーダが処方薬として認められてからの六ヶ月分の副作用をまとめた表だった。ちらっとしか見ていないので参考程度に書いておくが、千三百件くらい副作用の報告があって、その中で高血糖は軽症一例、重症一例の二例だった。
「ほら、これしかないんですよ。口頭で高血糖だけ言ったんですか? 不思議だな。いや、薬局の説明というのは(以下、処方薬局dis)」
「なら、安心しました。あとは、会社の業績がこの二ヶ月くらいひどすぎて、不安心が強いんですけれど、レキソタンでなんとかしのいでます」
「じゃあ、処方はラツーダ、レキソタン、アモバンでいいですね。処方もすっきりしましたね。ラツーダあってると思ってたんですよ。顔つきもよくなってますよ。ますますモテますよ」
「はあ、どうも」
というわけで、おれがモテるのかどうかしらないが(というかマスクで顔つきわからんだろ)、今月から長期処方(三十日)が可能になったラツーダ(ルラシドン)に乗り換えた。まだまだ新しい薬なので、ジェネリックはないので薬代はちょっと高くなるが、まあ朝のメリットには代えがたい。
で、通院帰りにまた万馬券の仕込みをしようとしたが、曜日が違うのか、天気が悪かったのか、それともその生活を脱することができたのか、「ビッグイシュー」売りの人はいなかった。宝塚記念は期待できそうにない。