僕は透明人間さー。って、2020年に透明人間の映画である。「おれが透明人間になったら、女子更衣室とか、女風呂とか、覗いちゃうもんねー、ぐふふ」というわけにはいかない。それでは芸がなさすぎる。というか、時代にもそぐわない。では、どうするか。この映画はその「どうする」に対する答えをビシッと見せてくれたように思う。
主人公は、あくまで「透明人間につきまとわれる女性」である。この人の演技がよかった。エリザベス・モスさんというらしい。おれは俳優の名前をよく知らない。ともかく、ジアゼパムで眠らせて、支配的な恋人から逃げ出してきたのである。その元恋人のかげに怯えるのである。そして……、その元恋人の科学者が自殺したのだが。まあ、だいたい、その、このあらすじで予想されるようなところではある。あるのだが、スリリングで目が離せない。とくに、妹のレストランでのシーンでの絶体絶命から、どうやって？ というところがすごかったな。あんなんもう、アウト、バッドエンドじゃんって思っちゃうもの。
え、何を言ってるかわからない？ だったら見たらいいと思うよ。透明人間は見えないけれど。
