こんなニュースを読んだ。
仏遠征中の坂井瑠星が日本人トレーナーの馬でフランス初勝利｜極ウマ・プレミアム
フランス遠征中の坂井瑠星騎手（24＝矢作）が1日、エヴリュー競馬場で行われた2Rフレディヘッド賞（2歳未勝利、芝1800メートル、14頭）をフォールインラヴ（牝、父シーザスターズ）で勝ち、フランス初勝利を挙げた。
フランス遠征というか、武者修行中の坂井瑠星が勝ったよ、という話である。そこでおれが気になったのは「フレディヘッド賞」だ。向こうの「2歳未勝利」の特別？ がどういうものかちょっとわからないが、ともかくレース名にフレディ・ヘッドが使われている。
フレディ・ヘッドといえば、おれのような日本中央競馬、地方競馬をかろうじて知っている人間にも名前がわかる名騎手である。リファールやリヴァーマン、ゲイメセンに乗っているのである。名牝ミエスクの主戦であって、ヘクタープロテクターとシャンハイの兄弟にも乗っている。さらに調教師としてゴルディコヴァを管理している。すごい。
ともかく、そのフレディ・ヘッド（だよな？）の名を冠したレースがある。悪くない。日本で人の名前を冠したレースは安田伊左衛門にちなんだ安田記念、有馬頼寧にちなんだ有馬記念くらいではないか。勝浦特別？
で、フレディ・ヘッドがありなら、たとえば岡部幸雄賞があってもいいだろうという。JRAに現役調教師の名前を使うまでの度量はないにせよ、引退して、現場には関わっていないのならばいいんじゃないのか。保田隆芳賞、加賀武見賞、福永洋一賞、それに野平祐二賞だっていい。競馬ファンが、「え、それって誰？」と興味を持って、ちょっと検索してWikipediaを読むだけでも、悪くない効果があるはずだ。べつに重賞じゃなくたっていい。未勝利はどうかだが、1勝クラス、2勝クラスでもいい。
もちろん、競馬ファンは地名や植物名にちなんだ条件戦レースに愛着を持っている場合も多い。福寿草特別、カーネーションカップ、臥牛山特別、三面川特別……。まあそれはひとそれぞれだけれど。
だけどなんだ、競馬に連綿とつづくのは馬の血統ばかりではない。人の流れというものがある。高松邦男一門、といってなにかを思い浮かぶ人もいるだろう。戸山為夫賞があってもいい。
それに、騎手や調教師に限る必要もないだろう。マルセル・ブーサック賞だってある。吉田善哉賞や和田共弘賞、岡田繁幸賞があってもいい。そんな賞があったからといって、社台系列やシンボリ系列、ラフィアン系列の贔屓にもなるまいし、公正競馬が害されることもないだろう。
さらには、寺山修司賞や大川慶次郎賞があったっていいじゃないか。菊池寛賞（競馬）とか。個人的には清水成駿賞がほしいところだが、まあそれはいいや。
というわけで、まあタイトルに書いた通り。むろん、シンザンやトキノミノル、ディープインパクト以外にも名馬はたくさんいるし、メモリアルレースとして一年だけ近年の名馬の冠したレースを開催したこともある。そっちもやってほしい。福島でツインターボ記念やってなにが悪い。このあたりは、地方競馬の方が積極的だ。フジノウェーブ記念とか、重賞だぞ。シアンモア記念とか、輸入種牡馬だぞ。
というわけで、JRAさん、なんとか考えてね！
とにかく、野平祐二賞を！
