2023年 フェブラリーステークス回顧 どうにもやる気が……

2023年2月18日付け東京スポーツ紙より

一ヶ月かそこら前には、「けっこういいメンバーが集まるんじゃないか」とか思っていたが、「あれ、どうもそうでもないらしい」となって、結局、「武蔵野ステークスくらいだよ」とまで言われるG1になってしまった。

みんな、どこへ行ったのか。サウジアラビアだ。何年か前までは、日本の一級線の馬がサウジアラビアにこぞって遠征するなんて考えもしなかったな。高額賞金というものの強みよ。

さて、フェブラリーステークス。主役の一頭、レモンポップ。遠征か、自重か、前走後、ちょっと出るか出ないかわからなかった。そこで、主戦の戸崎圭太がドライスタウトへの騎乗が決まった。レモンポップの鞍上は坂井瑠星に。

さて、どうしたものか。レモンポップは強い馬だ。調教師が最初から「種牡馬にしなくてはならない」と思っているくらいの素質馬だ。だが、距離にやや不安視があった。骨折、引退になってしまったギルデットミラーが出てきたら、差されるのではないか、と。いや、それにしても三浦皇成は中央G1に見放されている。いつか弾ける日がくるのだろうか。

それはともかく、レモンポップにも疑問あり、だが、ドライスタウトに飛びついていいのか。じゃあ、ほかの馬は? よくわからん。

よくわからんので、おれはこのレース、ちょっともう半ば見(けん)ということにした。とはいえ、買わないではいられない。どうしようか。どうも千四得意の先行馬が多いようだ。だったら、セキフウの末脚が炸裂するのではないか。とはいえ、頭までいけるのか?

そう思って、三連複六頭ボックスという、なにやらしょうもなさそうな道を選んだ。レモンポップ、ドライスタウト、セキフウ、メイショウハリオ、スピーディキック。これで、セキフウ絡みを多めに。単勝馬連も少々。儲けが出なくても、行って来いの算段。

で、レース。展開は、正直わからなかった。先行勢の争いが厳しくなるのか、距離不安を抱えた馬が多いので、逆に牽制しあってスローになるのか。スローになったらセキフウはだめだろう。

そんでもって、スタートしてみたらセキフウはなんと先行策。馬の気分次第というタイプとはいえ、ちょっと考えていたのとは違う。おまけにメイショウハリオは落馬寸前の大出遅れ。スピーディキックはロマン枠だし、こりゃあかんなと早々と思う。

直線、ぐんぐん差をつけるレモンポップ。坂井瑠星も冴えている。そこに襲いかかりそうになったのが川田将雅レッドルゼル。ああ、レッドルゼルなのね、などと思う。そして三番手に突っ込んできたのが大出遅れのメイショウハリオ。中央ダート重賞勝ちもあるし、東京マイルも勝ったことがある。決して早い時計の勝負に弱いわけではないんだよな。まあしかし、あの不利からの巻き返しには驚いた。底力がある。

というわけで、「レッドルゼルとメイショウハリオがあんな後ろから来たんなら、セキフウも控えていればな」などと思わないでもないが、まあそんなに勝負していたわけでもないのでどうでもいい。スピーディキックは健闘したと思う。現役地方最強馬といってもいいのではないか。距離はマイルあたりだろうが。まあ、そんなところ。

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土曜、阪神牝馬ステークスダイヤモンドステークス。ここにメイショウベルーガの子供であるメイショウミモザとメイショウテンゲンが出てきた。管理する池添父調教師にとっては最後の見せ場だろう。成績からいって勝ち目は薄い。それでもおれはこの二頭を追いかけてきたので買う。すると、メイショウミモザは三着あるかという池添兄のイン突きで五着好走。これで引退レースだろうが、最後よくやった、がんばった。ワイド馬券はとれなかったけど、満足した。メイショウテンゲンもまるで勝負にならない、というレベルではなくレコード決着を走り抜いた。まだ、どこかで一発あるのではないかと信じている。