2021年天皇賞(春)予想 おれはメイショウテンゲンを買う

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天皇賞(春)である。このところ長距離というカテゴリーの地位が下がったといっても、やはり伝統と格式の天皇賞(春)だ。おれが競馬をはじめたころからそんなことは言われていた。何十年も言われている。

そんな中で、こんな格言もあった。「格が物言う天皇賞(春)」。すなわち、近走の成績が悪くても、ビッグタイトルを持った馬がよく走るのがこのレースだ、と。一方で、天皇賞(秋)は勢いのある馬が勝つと。

それがこの2021年に通用するかわからない。というか、今年の出走メンバーを見てみよう。

天皇賞(春)(G1) 出馬表 | 2021年5月2日 阪神11R レース情報(JRA) - netkeiba.com

格=G1馬としてみても、ワールドプレミア(一昨年の菊花賞)、マカヒキ(だいぶ前のダービー)……え、これだけか? 見落としあったら悪いが、これだけである。

長距離G1を勝ち、まだ5歳のワールドプレミアを本命にするのは大いにあり得る選択である。ただ、馬には関係ないことだけれど、「今、この馬主がG1を勝ってもいいのか」という思いはある。そういう空気はある。知りたい人は、なんとか給付金問題について調べてもらえばいい。

マカヒキについては、もう8歳。ちょっと、きついかな、というところだ。

というわけで、何が勝ってもおかしくない天皇賞ということにしたい。というか、たとえば天皇賞(春)連覇のフィエールマンが現役で出てきたところで、おれの本命は決まっている。メイショウテンゲンである。

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生まれてはじめての阪神競馬場で生で見て以来の贔屓馬である。この馬も、皐月賞の前哨戦である弥生賞を勝って以来、勝ち星はない。

メイショウテンゲン | 競走馬データ - netkeiba.com

そして、ここ最近はひどい。アルゼンチン共和国杯3.8秒差17着、ステイヤーズステークス3.8秒差14着、ダイヤモンドステークス4.8秒差16着。これはもう、完全に競馬に参加していないのである。だいたい2.0秒差がついたら話にならないという中で、これはひどすぎる。

が、前走だ。前走は阪神大賞典1.8秒差6着。おれは思った。「テンゲンが競馬に参加することを思い出した!」。

だからといって、しょせんは人気薄で弥生賞を勝った馬に過ぎないのは変わらない。変わらないが、今年の面子だ。なにかぶちかましてもおかしくはない。そして、どうも酒井学騎手が合っているというか、競馬を教えているようなのである。

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 昨年のアルゼンチン共和国杯から3戦続けてふがいない2桁着順だったテンゲンくんですが、前走は6着!なにやら少しきっかけが掴めたのでは?と陣営に聞いてみました。

「そうなんですよ。前走から乗ってくれている酒井学騎手が追いきりからしっかりと馬が走るのを諦めないように叱咤してくれているんです。阪神大賞典では掲示板にはのれなかったけど6着にきてくれました。道中、4、5番手につける積極策もよかったですね。前走で走る気持ちはかなり戻ってきたようなかんじはあります」と担当の土屋助手。

ここで、ぜんぜんメイショウテンゲンと関係のない音無調教師(すごい調教師です)のインタビューから引用したい。『競馬の天才!』5月号、ターザン山本との対談記事からである。

音無 ただね、よくいう「勝負根性」というのは遺伝ではなく、人間が教えて初めて身につく、後天的なものなんですよ。稽古で教えたり、競馬で教えたり。

今まで、厩舎関係者が教えてこなかったとも、乗ってきた騎手が教えてこなかったとも言わない。言わないが、今まで騎手が固定されなかったのは事実。そこで、なんか酒井学が教え込んでいると、結果が出た。馬が合う、のではないか。そう思いたい。

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なんかいい感じになりつつある。そうでなければ、調教師もこんな風に言わないだろう。

今年は27年ぶりとなる阪神開催。27年前のレースを制したのは、芦毛で11番からスタートしたビワハヤヒデだった。2番手追走から残り1Fで先頭に立つと後続を完封。当時の強さは今も語り継がれるほど。「えっ、あの名馬と同じ?それはめちゃくちゃ縁起がいいよ!」。現在とコースレイアウトは異なるとはいえ、思わぬ偶然に指揮官はテンションぶち上げ。興奮が収まらない。

 「こんな偶然はめったにないと思うので運命を感じる。より楽しみが出てきた。ようやく調子を取り戻してきたし、一発を狙いたい」

テンションぶち上げである。参加賞的に参加する馬ではこうはなるまい。メイショウテンゲンのポテンシャルを感じているからゆえの興奮なのである。メイショウテンゲンは、ただ出られる長距離重賞だから出るのではない、一発を狙っている。おれはそう信じる。

そして、おれはメイショウテンゲンに賭ける。もとより人気はない。単勝は今のところ80倍台だ。メイショウテンゲンを追ってきていないファンには、しょうもない惨敗続きの終わった馬、に見えているのかもしれない。実際、そうかもしれない。が、それはレースが終わったあとに決まることだ。おれはこの人気薄にぶち込む。単勝、ワイド、馬連、三連複、ひょっとしたら三連単も買うかもしれにない。見ていろ、やってくれ、メイショウテンゲン。あの弥生賞のように荒れた馬場のズブズブのスタミナ勝負から、ずんずんと抜け出してやれ。頼んだぜ。