こんな記事を読んだ。
※以下に記すのはあくまで「おれの言葉の感覚」であり、辞書的な意味の追求や世の中のマナーを論じたものではない。
おれは基本的に、誰かと対話していて相手を「あなた」と呼ぶことはない。使うとすれば、あまり関係の浅い相手を詰めるとき、あるいは、関係性が完全に築けている相手、そのどちらかだ。それだけ取り扱い注意の言葉という感じがする。なにかこう、直接的すぎる。なにかトラブルがあって、「あなたのおっしゃることはおかしいでしょう」というような局面で使う言葉だ。親密な仲の場合、あえてそういう言葉を使う、という感じだ。あなたとわたしの仲なので、あえて「あなた」と呼びますよ、という具合だ。当然、日常的に使いはしない。おしゃべりの中で、ちょっとしたアクセントで使うくらいだ。「あなたはいつもそう言うけれど、おいしいとんかつだってありますでしょうが」。
というわけで、おれのなかで「あなた」を口にするのは、けっこう気を使う。日本語の会話ではあまり二人称を使わない可能性はあるだろうが、「あなた」はストレートすぎてどうも使いにくい。仕事の電話で使える気はしない。おれの感覚がおかしい可能性はある。とはいえ、「それは、そちらのほうで……」とか、「(名前か組織の固有名詞)さんが以前……」とかのほうがマイルドな感じがするのだ。マイルドで無難な感じだ。おれは「感じ」の話をしている。誰のでもない、おれの「感じ」の話だ。あなたはどうだろうか?
……と、おれはよく文章では「あなた」を使う。読者に向けて、「あなたはどう思うだろうか?」などと書く。そこになんのためらいもない。それはおれとあなたとの関係性からくるのだろうか、文章と会話の違いなのだろうか、そのあたりはよくわからない。おまえはどう思うだろうか?

意味もなくトキワシノブ。横切っている緑色の枝はひどい形に徒長しているアボカド。