反出生主義 の検索結果:
…る。 おれは、おれの反出生主義について、まずペソアで発見できたようなところがある。それゆえに、シオランがペソアに言及するところは、意外でもあり、納得できるようなところでもあった。シオランはスペインへの愛着を何度も語っているが、ポルトガルの紙幣になるような(それをするポルトガルという国もすごいと思うが)ペソアへの言及、これは「おっ」と思った。 ペソーアのある手紙の翻訳で、訳者は<心的危機>という表現を用いているが――ここは<精神の危機>とすべきだろう。というのも、それは意気消沈…
…前に書いた。 おれの反出生主義について、いま一度 - 関内関外日記 もう、生まれてしまったものは仕方ない。この地獄の同胞として迎えるよりほかないし、できるだけ苦しみと不幸のない人生を送ればいい。そのように思う。 だから、死についてもこう考える。 自殺にせよ他殺にせよ、それは不幸であり、苦しみである。不幸や苦しみを減らすべきであると考え、反出生主義を唱えているのに、なぜ不幸や苦しみを増やすと思われるのか。それは完全に誤っている。 自殺にせよ、他殺にせよ、不慮の死にせよ、だ。盤珪…
…に否定的な意見を持つ反出生主義者でもあるラファエル・サミュエル氏が、「同意なしに自分を生んだ」として両親を訴えています。 おれは反出生主義者であることを自認し、公言(ネット上での発言を公言というのかどうかしらぬ)している。とはいえ、主義者いうもの、どんな分野であれまったく軌を一にするわけでもなく、おれとこのムンバイの男にも考え方の差があるように思える。 おれにはおれの反出生主義がある。 というわけで、あらためておれの反出生主義について考えてみる。軽く考えてみると、おれの反出生…
…そして、おれがおれの反出生主義というものを深く認識させてくれたのがこれである。 goldhead.hatenablog.com これもどちらかというと『カイエ』に近いのかもしれないが、シオランの為人というものが垣間見えて楽しい。ファンなら買い、だ。 シオラン対談集 (叢書・ウニベルシタス) 作者: シオラン,Cioran,金井裕 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 1998/07 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る 『不穏の…
…破滅するべきだという反出生主義者の人間が、規則的な生活をしているのだ。まったく悪くない。むしろ、そうでなくては、と思わせるくらいだ。 すでに早く、二十歳になる前、私に理解できたと誇れる唯一のことは、子供をつくってはならないということだった。結婚、家庭、あらゆる社会制度、こういうものに対する私の嫌悪は、ここに由来する。子孫に自分の欠陥を伝え、かくて子孫に自分と同じ試練を経験させ、おそらくは自分のそれよりも過酷な苦難を経験させる――これは罪だ。私は、私のさまざまな病を受け継いだ者…
…件) を見る 最近の反出生主義の本というと、これらしい。おれは反出生主義者として目覚めたばかりであり、その根拠というか、同じことを考えているやつ、同じことを考えているやつの考えを知りたかった。だから、この本を読んだ。 ページをめくりかえすことなく、印象を述べる。となると、「なに回りくどいこと言ってんだ」、「もっとズバッと言え」、「シオランだったら3ページで済むぞ!」というあたりである。 どうも著者は、「自分はえらく間違ったことを述べているのではないか?」という意識が強く、あれ…
…。もとよりシオランは反出生主義者であって、男女の愛だの恋だのは相手にしていないところがある。それを極端に書くと、こういうことになる。なにか男女の話、フェミニズムの話などこわごわ覗き見ると、互いに残忍な言葉を投げつけあってるのを目にすることもあるが、無関心の方がましではあろう。そして、互いに同性愛とオナニズムに引きこもるほうが平和である。そのための、一層の「科学的方法」……バーチャル・リアリズムなり、ロボットなり、薬物なりの方法が深化していくことを願うべきに違いない。 話を『深…
時間への失墜 (E.M.シオラン選集) 作者: E.M.シオラン,金井裕 出版社/メーカー: 国文社 発売日: 2004/07 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 「おまえ、立て続けにシオランばっかり読んでるけど、飽きてこないか?」と言われそうだが、実のところ飽きてきている。とはいえ、今、一気にぶち当たらなければいけないという気がどこかでしていて、それでおれの身になるというわけでもないだろうが(というか、シオランを身につ…
…れでもって、きました反出生主義。強烈な物言い。そして、「悪しき造物主」がなにを指すのか、刺すのかというところでもある。もっとも、シオランは神もしっかり刺しにいっているので安心である。安心? 俺は自殺するつもりだと考えるのは健康にとってよいことだ。この問題以上に疲れを癒やしてくれるものはない。この問題に取り組み始めると、私たちはたちまちほっとした気分になる。この問題を考えることは、ほとんど自殺行為そのものと同じように私たちを自由にしてくれるのである。 自殺という観念がなければと…
…などと思うのである。反出生主義も直接的に述べられていない。むしろ、なにか「生」に向かっているように思われる。そのあたりが、後のシオランをして「そんな著作しらねー」と言わせるところかもしれない。 というわけで、どういうわけかわからないが、まあともかく「シオラン読んでみようか」と思う人がいるとしたら(いないような気がする)、とりあえず後年のアフォリズムから入るのがいいと思う。年代順に読んでいこう、と思うと、なんだこりゃ、となるかもしれない。とはいえ、それはおれにクラシック音楽の知…
…きだという。心優しき反出生主義である。苦しみの再生産に異議を唱える。おれも、今いる人間を殺すほどではないが、新たに増やす必要はない、という立場を取る。シオランを読む前から。 ……でも、こういうアフォリズムのたぐいは、崩壊しつつある文明にはまことにふさわしいと私は考えます。もちろん、アフォリズムの本を端から端まで読む必要はない。混沌の印象、真面目さがまったくないという印象を受けますからね。こういう本は、もっぱら夜、寝る前に読むに限ります。あるいは、ふさぎの虫にとりつかれていると…
…なるものに違いない。反出生主義にそもそも右も左もないじゃないか。 自由は病める社会でしか繁栄することができません。寛容と無能力とは同義語なのです。政治において、いや一切の事象において、これは明白な事実です。 「社会の二つの典型について」 そう、そして自由ですら否定してみせる。「自由を所有している私たちにとっては、自由とは幻影にすぎません」。 思想について。 急所を狙いうちしたいと望まれるのか? それならまず、君と同じ種類の思想を持ち、同じ偏見を持ち、君と同じ道を並んで走ろうす…
E.M.シオラン選集〈1〉崩壊概論 (1975年) 出版社/メーカー: 国文社 発売日: 1975 メディア: ? この商品を含むブログを見る シオラン、フランス語による初めての著書である。四回書き直したとか言っていた。1947年のことである。 本書はのちのシオランの著書のように、アフォリズムで構成されていない。「いや、この長さ、この構成はアフォリズムだよ」という人もいるだろうが、おれにとっては、ひどく精神的な調子が悪いおれにとっては読むのに苦労した。べつに理由にはならないか…
ここ何日か……と書いて、「こんなに長く感じるのに、たった何日か!」と思うのだけれど、まあともかくひどい倦怠感、鉛様麻痺、抑うつに襲われている。「襲われる」というほど派手なものではないが、ともかく身体が動かない、身体が重い。重力の偏りを感じる。ここだけが重い。これが無重力状態だったら、おれの「重さ」はどこへ向かうのだろうか。だれかおれを民間宇宙飛行に連れて行ってくれないか。 宇宙はどうでもいい。この地球の重力に魂を縛られた人間として、この地に這いつくばるしかない。這いつくばって…
…回しだが、シオランの反出生主義がよく現れている。一切皆空、生老病死。そういえば、本書にはシオランが『正法眼蔵』のフランス語訳を読んだみたいなことが書いてあった。 私たちは、ある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは、国語だ。それ以外の何ものでもない。 大学に入りたてのころだったか、なにかの授業で「ある文化とはなにか?」という、えらく抽象的な質問を当てられて、苦し紛れに「同じ言語を有するものです」と答えた覚えがある。言いながら、なんて不完全な答えだろうと思った。講師は…
さきほど、たまたまNHKのクローズアップ現代でひきこもり特集を見た。 www3.nhk.or.jp 「学校に行かない子どもたち」の問題として1980年代に社会問題化し、2000年代にかけて大きくクローズアップされた「ひきこもり」。いま、新しい局面を迎えている。長期化・高齢化が深刻化しているのだ。40代、50代のひきこもりの人が、高齢の親と、経済的、精神的に追い詰められ、孤立死する事態も起きている。一方、ひきこもりの当事者や経験者らが、みずから声を上げ、社会に向けて積極的に発信…
…ろう。 おれはおれを反出生主義者ではないかと思っている。詳しいところはわからない。以前、おれはブックマークにこんなことをメモした。 やはり人類の絶滅こそが一番正しいのではないだろうか? [人間] [万歳] べつに今いるのを殺すことはないけれど、これ以上増やさなくてもいいとはわりと本気で思う。 2018/06/11 14:18 b.hatena.ne.jp おれはこれを書いたとき「これだ」と思った。べつにだれの言葉の引用でもない。おれの内から湧き出た言葉だ。ひょっとしたらだれか…
…めがかかるだろうし、反出生主義者であるらしいおれの理想には近づくだろう。ただ、おれは「新たに生産するべきではないだろうが、今いるものを殺すほどのことではない」というスタンスなので、やはり学校なるものが人殺し機関であるというのは、いまだに人殺し機関であるということには、嫌な思いをする。そう言っておきたい。 <°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡 <°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡 <°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡 d.hatena.ne.…
…うすこし突っ込んで、反出生主義というものについても語り合ってほしかった。キリスト教については、「よきものもない」というところに着地するのかもしれないが、仏教もそうなのか? 一切皆苦に人間を放り込むことはどうなのだろうか。 カトリックについて。 来住 ……カトリックは自分の考えを絶対視せず、教会の教えや先人の知恵を重視して、常に自分を相対化する気持ちを持っています。それでもなお、「神と私」だけの良心の法廷があるのです。キリスト教に関心を持つ人たちに、これはぜひ知ってほしいことで…
…適応される優生思想、反出生主義。 とはいえ、おれのようなものも少なくないのでは、と思わせるのが冒頭のブックマーク。いや、案外、多いのではないか。もしも、国が少子化対策をとるというのであれば、まずは今生きている人間の幸福度を上げ、自分が生きるに値する人間であると思わせること、この幸福を自分の子供というものに受け継がせたいと思わせること、そういったことも必要だろう。おそらくはジャガイモの生産量を倍増させるほうがずっと簡単なことだろうが。 おそらくこの国、あるいは先進国は、病気と遺…