Number誌『清原和博「告白」』を読む

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ナンバーなんて買うのはいつ以来だろうか。Webにちょっと紹介されていた清原和博のインタビュー記事が読みたくて買った。

おれと清原、清原とおれ。おれはコロコロコミックの『かっとばせキヨハラくん』世代である。甲子園での活躍というものを見たかどうか覚えはない。ただ、涙を流して西武に入ったことはなんとなく覚えている。後付の記憶かもしれないが。そして、清原は念願の巨人に入団する。バファローズを最後に引退する。

一人称が「ぼく」の清原。「ワイ」の番長。岸和田の清原、東京は読売志向の清原。おれにとって、いまいちよくわからない存在だった。秋山とデストラーデの方が好きだったともいえる。いずれにせよ、おれは清原のファンでもないし、むしろアンチ寄りの見方をしているのかもしれない。とはいえ、おれはカープのファンであり、日本プロ野球のファンでもある。その中において、清原和博という存在はやはり無視できず、こうなってみてやはり清原は気になるのだ。

ちょっとだけ引用してみよう。

――病院では医師がチームを組んで依存症からの脱却をサポートしてくれると思いますが、医療機関以外では、どういう方にサポートしてもらっていますか。

「自分の仲間であったり、お父さん、身内ですよね。本当に今までは自分1人で……。僕、野球人生の中で1回も代打を出されたことないんです。……」

 フハッ、すげえな、そうなのか。巨人時代とかありそうに思えるのに。ひょっとしたら、日本プロ野球における「代打を出されたことがない記録」とか持ってるんじゃないのか。わからんが。なんとなくだが、前田智徳とかも代打を出されたことがないような気がするが、まあいい。ともかく、一人で抱え込む性格だったようだ。

留置所での生活も告白している。

「5日に1回、お風呂の日があって、どういう表現をしたらいいのかわからないんですけど、誰のものかもわからない髪の毛なんかがたくさん落ちているし……。1回15分間ですべてを終わらせなければならず、その間もずっと担当者に見られているんです。それで終わると『おい、114番、栓を抜け』と。その、何が浮いてるかわからない風呂に手を突っ込んで、栓を抜くときというのはもう……。留置所の中で汚い風呂の栓を抜いている自分……。その日は一睡もできなかったです」

おれはなぜか獄中記というものに惹かれるが(留置所が正確に「獄」なのかはしらんが)、これはなかなかいい「告白」だ。大金持ちでヒーローだった自分、良き親であろうとした自分がこんなことを、という痛恨が伝わってくる。

その他、いろいろの「告白」はNumber誌を読まれたい。

また、今号では清原に関するインタビューを3人の野球人が受けている。佐々木主浩立浪和義ダルビッシュ有である。

佐々木曰く。

 それから、キヨは現役時代に外国人選手に勧められて、興奮剤のグリーニーをしようしたらしいけど、この頃実際に使っている外国人選手は多かった。特に投手は、デーゲームの時の眠気覚ましのコーヒーななに入れて飲んでた。2,3錠飲むと目つきがキッと変わって、完全に戦闘モードになるんだよね。あ、僕はやってないよ。興奮剤使ってまで成績上げたいと思うほど、野球に熱心でなかったから(笑)。

このあたりの余裕というか、野球への打ち込み方が清原と佐々木を分けたのか。そのあたりはわからない。ただ、なぜかよくわからないが無二の親友というのは伝わってきた。そのあたりもNumberを読まれたい。

と、ここでグリーニーの話。清原は現役時代やってなかったというが……。野村貴仁の証言はどうなるのか。そこが気になった。突っ込んでほしかった。あと、刺青について。まあ、そこまで責めることはないか。とはいえ、野村貴仁に突っ込んでいってほしいというのはあった。

最後にダルビッシュダルビッシュと清原。初対決で死球を与えたらしいが、「気にするな」と。そしてダルビッシュ曰く。

……日本の場合(犯罪者は)一生消えろ、とか、そういう感じになってしまう。それは一人の人生を終わらせてしまうこと。

 

清原さんの一番のゴールは監督として野球界に復帰することだと思っています。監督でなくてもコーチでも、それがもし実現できれば野球界にとってもすごいことだと思います。

 ダルビッシュの家庭環境のことは置いておいて、元犯罪者としてもメジャーでプレイできているアメリカ。江夏豊が戻れない日本。将来、球団のオーナーになりたいという発言もあったダルビッシュ。そのとき、清原はコーチとして、あるいは監督としてダルビッシューズに関わるのだろうか。興味は尽きない。